昨年、株やFXなどの資産運用で120万ほどの確定利益を得て、確定申告を経て納税額が確定した際に思ったことは以下2点でした。
- iDeCo枠一杯に積み立てないと税金取られるだけで勿体ない。
- ふるさと納税も枠いっぱい使わないとタダで税金取られるだけで勿体ない。
ほんらい税金はタダで取られるものではありますが、ふるさと納税という「税金を前納すると返戻品がもらえる仕組み」があるのですから、その制度の是非はともかく使わない手はありません。ギリギリ一杯の限度額までふるさと納税を使い倒す覚悟を決めたわけです。
けれど。ふと疑問に思いました。
株やFXなどの資産運用による稼ぎは、ふるさと納税の上限枠にどれだけ影響するんかな?
そこで、株式の取引やFXで得た利益とふるさと納税の上限枠の関係について確認してみました。
この記事は以下のような方々を読者として想定しています。
- 株やFXなどの資産運用で稼ぎを得ている方。
- ふるさと納税を給与収入+資産運用収入のギリギリ一杯まで使い切りたい。
ふるさと納税の控除限度額の求め方
控除限度額は納税額で決まる
ふるさと納税による税額控除には限度額が定められています。この限度額は、個々人の納税額によって算出されます。何故かと言うと、当たり前ですが納税した以上には控除することはできませんし、ある地域の住民が100%まったく別の自治体にふるさと納税してしまっては、住まいのある自治体の運営が成り立たなくなってしまうためです。
ふるさと納税の限度額に関しては、ふるさと納税関連のサイトで限度額を算出するシミュレーションも提供されています。給与収入の額や家族構成を入力するとおおまかな額を示してくれます。詳細は省きますが、基本的には、多く納税している人には多くのふるさと納税枠が認められています。
多くのシミュレーションは、給与収入のみのサラリーマン世帯だけ想定している
でもそれらのシミュレーションは、給与収入のみのサラリーマン世帯を想定していて、わたくし千鳥足のようなサラリーマン投資家のことは想定してくれていません。
もちろん、株やFXによる利益も確定申告を経てしっかり納税するわけですから、そのぶん控除される枠が拡がります。株やFXの取引きを専業に生活されている方もいるわけで、そうでないとどう考えても不公平ですよね。
ふるさと納税を限度額一杯まで使い切りたい!と思う限りにおいて、「株やFXでいくら儲けたら、ふるさと納税をあといくらできるのか」という関係性を知っておかないと、理想を追いきれないですよね。
株やFXの利益でふるさと納税はどれだけできるのか?
確定申告不要な儲けなら、確定申告しないほうが得
株の譲渡益やFX取引による利益が年間20万円未満であれば、確定申告は不要です。つまり納税する必要がありません。
もちろん、確定申告をして、20万円未満の収入を申告することによって、納税額を増やすとともにふるさと納税の枠を拡げることも可能です。
でもこれはバカげていることなのでやめておきましょう。ふるさと納税はあくまでも、住民税を先に支払う際にその一部の範囲内で返戻品を受け取るものです。自治体が返戻品にかける費用は、総務省の指導では「納税額の3割以下」です。つまりどうあっても「納めなければいけない税額>返戻品の価値」の関係にあるわけですから、ふるさと納税の返戻品欲しさに納税額を増やすなどということはバカげています。
計算の仕方は、式を整理してしまえば簡単です
サラリーマン投資家は、(1)本業・安定の給与収入ではいくらまでふるさと納税による控除が効くのかを覚えておき、加えて、(2)株やFXで別途収入があがった場合にどの程度控除限度額の上乗せができるのか、分けて理解しておくと便利です。
(1)の本業の給与収入による控除限度額は、すでに貼ったようなふるさと納税関連のサイトに設置されているシミュレーションなどを活用しましょう。
(2)の株やFXで別途収入があがった場合にどの程度控除限度額の上乗せができるのか、こちらの計算式はずばり以下のとおりです。
控除限度額 = 確定利益 × 0.0134475
※上記式の基となる数式は以下のとおりです。同じ結果なので気になる方は検算してください。
控除限度額 =(確定利益 × 住民税率5% × 20%)÷ (90% – 所得税率15.315% × 1.021)
つまり、株式の譲渡や配当金やFXなどで100万円の利益を得た場合には、
1,000,000 × 0.013448 = 13,448
となり、控除限度額が約13,000円上乗せできることになります。
式を見て分かるとおり、この控除限度額は確定利益に正比例します。つまり確定利益が2倍の200万円なら、ふるさと納税枠も2倍の26,000円が上乗せされます。
2018年の我が家のふるさと納税目標額
本業の給与収入による控除限度額はおおよそ17万円です。
今年の株取引における目標は、昨日の記事で100万円と置きました。
FXのほうは、昨年とほぼ同様で80万円程度と考えましょう。合計180万円です。
1,800,000 × 0.013448 = 24,206.4
となり、控除限度額が約24,000円上乗せできることになります。
そこで、2018年の我が家では、17万円+2.4万円=19.4万円 を目標に置き、お得な返戻品を求めてふるさと納税を進めていきます。
控除限度額 =(確定利益 × 住民税率5% × 20%)÷ (90% – 所得税率15.315% × 1.021)
とありますが、他のサイトを見ていると所得税率の部分を20%で計算されているところが多いように思います。
結果100万円当たり14,372円の控除となっているのですが、どちらが正しいのでしょうか。
本文の注意書きにも記載していますが、
住民税・所得税の税率は、所得の内容やその申告の仕方によって変わります。
FXで得た所得は、申告分離課税なので、住民税5%、所得税15.315%です。
株の売買で得た所得は、源泉徴収のまま申告無し・あるいは申告分離課税なので、住民税5%、所得税15.315%です。
株の配当で得た所得は、申告分離課税・総合課税のどちらもお得なほうを選択できます。
このとき、総合課税を選択すると、所得税率が20%ほどになる場合もあります。
しばしば所得税率の説明で使われる20%は、あくまでもある所得帯における総合課税の税率なので、ご自身の所得額に合わせて読み替える必要があります。