GWに時間があったので、これまで手付かずだったプロパンガスの契約を見直しました。
出掛けられないGWが暇なので、LPガス屋さんの乗り換え検討始めました。検討する旨告げたらいまのガス屋さんも単価の見直しを検討してくれるらしい。
— 千鳥足@投資初心者 (@chidoriashi_sh) May 2, 2020
これまで長年契約してきたガス屋さんも値下げの意向を示してくれましたが、結果的には別のプロパンガス屋さんと契約することにしました。理由は単純明快におかねです。㎥あたり単価は140円下がり、 ガス代は年間で40,000円ほど安くなる見込みです。
わが家のガス料金と支出を抑える方針
わが千鳥足家は夫婦2人暮らしなのに何故かガスの消費量が多いです。ガス代は多い月で18,000円を超え、年間では132,000円に及びます。
そんなに…?!
消費量自体が多いので、もちろん、ガスの節約自体を心掛けなければいけません。それはその通りです。
でも僕は、これまで家計を少しずつ改善してきて知っています。生活習慣を変えるには時間と労力がかかることを。そして支出を減らすために有効なのは、生活習慣の変更よりも先にまず契約を見直すべきであることを。
生活習慣は中々変わりません。1人暮らしならいざ知らず、家族と生活していれば家族全員の習慣を変える必要があります。節約を心掛けてみてもなかなか成果に繋がらないのが実際です。まずは労せず支出を減らすことができないかと考え、まずはプロパンガス屋さんの切り替えと云う判断に至りました。
プロパンガス屋さん切り替えの実際
我が家は14年前に一戸建てを新築して暮らしています。契約していたプロパンガス屋さんはそのとき住宅メーカーから紹介を受けた会社でした。
紹介を受けるがまま、その会社に供給を依頼し、長年契約を続けてきました。そうして来られたのは、プロパンガスの値段が供給企業や契約によって段違いの差があることを知らなかったためです。
プロパンガス料金の闇
プロパンガスの料金なんてみんな一緒なんでしょ?まあ僻地では若干高かったりするんかしら?その程度に思っている方も多いかも知れません。
全然違います。
料金設定は各戸で異なる
プロパンガスの料金は、地域によっても違いますし、同じ地域でもプロパンガス屋さんによって違います。さらに言えば、同じ地域・プロパンガス屋さんであっても、各戸別に料金が違うのです。同じ並びの家に住むAさんち、Bさんちが同じプロパンガス屋さんと契約しているにも拘らず、Aさんちは600円/㎥、Bさんちは300円/㎥と云う単価で契約しているようなケースが実際にあるわけです。
地域やプロパンガス屋さんごとに価格が違うのは自由競争として適切です。でも同じ地域・プロパンガス屋さんなのに家庭によって値段が違うのは少々闇を感じますよね。
料金の自由競争が機能しない3つの事由
プロパンガスの自由化は1997年の液石法の改正に始まります。すでに20年以上も経過しているのです。それにも拘らずこのような不透明な状況にあるのは、おおきく以下3点の事由によって価格競争が適切に機能していないことが原因です。
- 業界内で顧客の取り合いを控える習慣が根強く残っている。
- 新築時に設備設置とともに契約すると15年間等の長期契約で縛ることが一般的。
- そもそも自由料金であることが消費者に認知されていない。
● 業界内で顧客の取り合いを控える習慣が残る
今回複数のプロパンガス屋さんと会話しましたが、その内の1社の営業さんは、「○○ガスさんとは顧客を取り合わない協定を結んでいるので…」と云う話をしていました。○○ガスとは、我が家がいま契約しているプロパンガス屋さんです。
実際、長年この家で暮らしていますが、プロパンガス屋さんからの乗り換え営業を受けた記憶がありません。
とは云え積極的な営業はタブー視されていても、顧客の側から依頼が来た場合には拒むわけでは無いようです。前述の「協定を結んでいるので…」と云う話も「でも、今回のようにお客様から enepi (後述するインターネットのプロパンガス料金比較サービス)経由で来られたのですから問題ありません!」と続きました。
● 設備設置とともに契約すると15年間等の長期で縛ることが一般的
家を新築する際にガスの配管やプロパンガスを設置するための設備をプロパンガス屋さんから購入します。この設備設置の費用は高額なので、一括の支払とはせず、毎月のガス代の中で少しずつ払うこととして、多くの場合15年間で償却するのが通例のようです。15年に満たない期間で他のプロパンガス屋さんに乗り換えようとすると、未償却分の費用を違約金として請求されます。これが乗り換えを阻害します。
契約の残存期間がまだ5年以上あると知ってあきらめたことがあります。
ところが、この残存期間ぶんの違約金も引き取ってくれる会社もあります。
あきらめずに検討を進めましょう。
● 自由化されていることの認知度が低い
上記のような事情もあって、そもそもプロパンガスの料金が自由化されていて、各戸別に料金設定が違うなどと云うことが消費者に認知されていないのです。
高い料金を支払っている家庭がそのことに気付いていないと云うそのことが、プロパンガス料金の自由競争が機能していない最大の一因となっています。
プロパンガス料金の比較方法
地域でプロパンガスを供給している各社に電話をして直接ガス料金の設定を確認することも出来なくはありませんが、複数社と価格交渉をして少しでも有利な条件を得ようとするのは疲れちゃいますね。幸い、インターネットにはプロパンガス屋さんにまとめて見積依頼を投げるサービスが幾つかあります。
我が家は enepi(エネピ)と云うサービスを利用しました。
ほかにも色々なサービスがあるので迷いましたが、実績と契約内容に積極的に踏み込んでくれると云う評判で enepi を選びました。
地域の平均単価を確認する
enepi のサイトでは、地域別のプロパンガス料金の平均を検索することができます。検索すると基本料金と1㎥あたりの従量単価の平均が表示されます。
まずは地域の平均とあなたの家庭のガス料金とを比較してみましょう。あなたの家庭のガス料金における基本料金や1㎥あたりの単価は、毎月の検針請求書等に記載されています。
このとき大事なのは、平均と大差ないと云う検索結果に満足してはいけません。
具体的に言うと、上の画像のように、神奈川県の従量単価の平均は474円(2020年5月時点)です。ですがこれはあくまでも「平均」です。
従量単価は各戸別に設定されており、300円/㎥で契約している家庭もあれば、600円/㎥で契約している家庭もあるのです。価格競争がまだ十分機能していないのでこれだけの価格差があるのです。平均の料金に意味はありません。平均は下回って当然、おおきく乖離して「節約家として人並み」と心得ましょう。
平均値に近くかつわずかに下回っていることに満足してた俺のバカバカ!!
地域平均をおおきく下回る契約だって可能なのです。
複数企業の見積りが一括で得られる
enepi に必要な事項(住所、現在のプロパンガス会社、直近のガス使用量や料金)を登録すると、すぐに地域の供給各社の見積りが得られます。
我が家には3社の見積りが集まりました。見積りの内容を見た上で、交渉したい企業を選ぶことができます。enepi 経由で連絡依頼をすれば、だいぶ前のめりな短時間ぷりでレスポンス(電話)がありました。登録した事項はすでに先方に伝わっているので話は簡単です。先方も「価格で比較されている」ことを認識した上で連絡してきているので、落としどころの探り合いみたいな疲れる交渉ではありません。最初から最低限の金額で話がきます。話はものすごく早いです。
プロパンガス屋さん選びの決め手
見積りをくれた3社とこれまで契約してきた1社、計4社の内、1社を選ぶにあたって決め手となったのは以下3点です。
プロパンガス屋さん選びで決め手となった3点
- 価格(基本料金+従量単価)
- 契約期間の縛りが無いこと
- 従量単価の無変動保証期間、および過去実績
- 現契約の違約金(設備費用の償却残)を引き取ってくれるか否か
純粋に価格の比較が最優先です。見積りを提示してくれた3社のいずれも、これまで契約してきた1社の価格設定よりも大幅に低い金額の提示がありました。
見積りを提示してくれた3社いずれも、契約期間の縛りはなく、従量単価も2年据え置きまでは一緒でした。内2社については、過去の実績として「enepi経由で契約したお客様の単価は過去5年間上げていない」との発言が明確にありました。何故なら ”価格に敏感な顧客だから” とのことです。
比較サイトの○○経由で契約いただいたお客様は過去5年間値上げ無しの実績があります。そういうトコから来たお客様は常時価格比較して高ければ余所へ移ってしまうので、どこ経由で契約したか記録残してあるんです。とのこと。LPガスの闇っぽいの垣間見たけど、こういう狡さは信頼できる。
— 千鳥足@投資初心者 (@chidoriashi_sh) May 3, 2020
最後に「現契約の違約金(設備費用の償却残)を引き取ってくれるか否か」ですが、対応が明確に分かれました。2社は引き取り不可(我が家が現在契約しているプロパンガス屋に支払う)、1社が一律引き取っているとの回答でした。ちなみに我が家は15年間の契約期間にあと1年ほど足りず、15,000円ほどの償却残がありました。
この15,000円は継続的にかかる費用ではなく一時的なものではありますが、ほかの条件が一緒であれば、これを自前で負担するかしないかの違いはおおきいですよね。
我が家が選んだプロパンガス屋さん
契約内容を明らかにした上で社名を出すのは迷惑(?)がかかるかも知れないので出しませんが、以下条件を提示してくれた企業と契約を進めることとなりました。
- 基本料金:1,500円(現契約は1,300円+設備利用料314円=1,614円)
- 従量単価:280円/㎥(同410円~420円/㎥)
- 契約期間の縛り無し
- 2年間は価格据え置き保証、enepi経由の顧客は過去5年間価格引き上げ無し
- 現契約の違約金(設備費用の償却残)を引き取り
プロパンガス屋さんを選んでしまえば、あとはプロパンガス屋さんが対応してくれます。委任状を書いてしまえば、現在契約しているプロパンガス屋さんとの引き継ぎ等も含めて、すべての手続きを進めてくれます。切り替えの日程を決めて、その日に一時的にガスが使用できなくなる時間が発生することだけ記憶しておけばOKです。
我が家のガス代の Before & After
具体的な改善例があったほうが良いですよね。あくまでも我が家の例になりますが、Before&Afterを示してみます。
年間のガス料金 Before
1年間のガス使用量とこれまで契約してきたプロパンガス屋さんのガス料金の実績は以下のとおりでした。金額は税込み価格です。
季節変動が激しいです。最高は2月の35.2㎥で18,690円、最低は10月の7.7㎥で5,159円です。
年間ガス料金想定 After
1年間、同じガス使用量だったと想定して、新たに契約を決めたプロパンガス屋さんの料金体系でガス料金の試算しました。金額は税込み価格です。
全般に金額の棒グラフの背丈が低くなったことが判りますね?
最高は2月の35.2㎥で12,490円、最低は10月の7.7㎥で4,013円です。
Before & After の比較
Before と After を並べてみました。単価が安いのだから当たり前ですが、どの月も安くなります。
毎月のガス料金の差額をグラフにしました。最高6,200円の差額が発生する月があります。
差額の年間累積です。年間で40,821円もガス料金を節約できると云う試算になりました。
最後に
手間暇をかけてたかだか年間4万円の節約ってどうなの?と思う方もいるかも知れません。でも光熱費は一生発生する支出です。年間4万円として10年で40万円、20年で80万円、塵も積もれば山となると言いますように、長期で見ればおおきな違いです。
資産運用をされているような方は、年間4万円の家計収支改善の有り難味と云うものをきっと重々承知しておられますよね。配当利回り4%としても4万円は100万円の資金を運用して得られる金額です。そこにかけるリスクを思えば、プロパンガス屋さんを切り替えると云うノーリスクな行動で得られる4万円の素晴らしさがいっそう際立ちますね。
プロパンガスの契約、ウチも見直してみようかな?と思った方は、是非こちらからどうぞ。
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