カルロス・ゴーン会長逮捕は日産社内のクーデター?今後の捜査・ルノーとの関係に興味津々

カルロス・ゴーン会長逮捕は日産社内のクーデター?今後の捜査・ルノーとの関係に興味津々

のカルロス・ゴーン会長の逮捕が世間を騒がせています。

逮捕の名目は「自らの役員報酬を有価証券報告書に過少に記載した金融商品取引法違反の疑い」とされていますが、「目的を偽って私的な目的で投資資金の使用、会社経費の不正使用」と事実上の特別背任罪に当たる行為も働いていたとされており、今後の捜査の行方が注目されます。

 
 

ルノー、日産自動車の株価は急落

この報せを受けて、 の親会社である []ルノー の株価は15%安。[7201]日産自動車 は5.45%と急落しました。

[RNO]ルノーの11月19日(月)の株価

の11月20日(火)の株価

今後も捜査の進展状況が伝わるたびにおおきく上下動することが予想されます。

日産車ファンであり株主である僕の思い

わたくし千鳥足は、いまでこそイタリア車に浮気をしていますが、かつてはセフィーロ、スカイラインと乗り継いできたユーザーでした。フェアレディZやGT-Rに憧れてきました。日産が作る車のファンであります。またいっぽうで、同社の株を少量ながら保有している株主でもあります。

株主としての思い

株主としては、株価の急落と先行き不透明感は残念であり腹立たしいところです。保有株を処分し、事件が落ち着くまで近寄らないのがセオリーでしょう。あるいは、ここは買い場だと飼い向かうのも賭けとしてはアリかも知れません。同社の株式の配当利回りは本日の終値で6.00%であり、少なくとも現時点において高配当株式であります。もっとも、ルノーとの関係に変化があるなら、これまでの「貢ぎ」のような高配当は見直される可能性もあります。

日産車ファンとしての思い

株主としてではなく日産が作る車のファンとしては、今回の騒動を興味津々に眺めています。今後の成り行きについても、(表現は不謹慎ですが)ワクワクしています。西川社長はクーデターと云う表現を否定しましたが、最高責任者であるゴーン氏本人や役員にも秘密裡に内部調査を進め特捜部と組み逮捕に至り、解任を進めると云う手続きは、クーデターと呼んでもズレていないと思います。このクーデターがゴーン氏に対する対峙に限らず、親会社であるルノーに対する対峙姿勢であったとしたら?…ありえない話ではないです。

日産は経営危機に際してルノーに救われましたが、その後はルノーの「財布」であり「技術提供係」として良いようにしゃぶられてきました。この状況について、僕は相応のナショナリズムを持つ1日本人、また日産の1ファンである者として、苦々しく思ってきました。さらに、ルノーの筆頭株主であるフランス政府は、日産を完全に手中に収めようと、現状のアライアンスからさらに進めて、日産とルノーの経営統合(日産の吸収)を再三にわたり要望してきました。ゴーン氏はこの要望には否定的であるとされていましたが、腹の裡は分かりません。今回の容疑がほんとうであれば、もはや過去の発言など信じられる人物ではありません。

現在、ルノーは日産に43.4%、日産はルノーに15%、それぞれ出資して株式を持ち合っています。日本の会社法上、日産がルノー株をさらに10%買い増して25%以上の出資比率にすれば、ルノーの日産に対する議決権が消滅します。日産がルノーへの出資比率を高めるには、かつての契約ではルノー取締役会の承認が必要とされていましたが、現在では日産の取締役会の決議のみで買い増すことができるようになっています。取締役会で決議するには過半数の同意者が必要です。ゴーン氏と、ゴーン氏の側近であり不正に深く関与したとされているグレッグ・ケリー氏が日産の取締役を解任されると、日産の取締役会は西川社長派が多数となり、決議で過半数を得ることができます。

日産の1ファンとしましては、今回のこれは不正糾弾であると同時に経営権を巡る闘争であり、今回のクーデターを引き金にルノーひいてはフランス政府の関与が深まる可能性を将来にわたり排除することを望んでいます。加えて、現状のアライアンスはより対等な立場に改め維持継続してゆく、と云うシナリオが1ファンとしても株主としても最良なのですが、ルノーやフランス政府の出方は分かりませんね。さて、果たして、果たして…。

同社の保有株が含み損にまで落ちて腹立たしいのはさておき、捜査の進展、および日産とルノーの関係の変化を興味深く観察したいと思います。

 

 

 

 

 

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