【卒業】ウェルスナビの解約方法。22ヵ月間利用した成果と感想・評価・卒業理由。そして同サービスに求めたいこと。

【卒業】ウェルスナビの解約方法。22ヵ月間利用した成果と感想・評価・卒業理由。そして同サービスに求めたいこと。

卒業するする言いながらずるずるするする詐欺を続けていた WealthNavi を卒業しました。

およそ22ヵ月目での卒業になります。

厳密に言うともう少し後腐れが残りそうなのですが…、WealthNavi の卒業の仕方と22ヵ月間続けた成果、そして感想を整理しておきます。

 
 

WealthNavi の卒業の仕方

卒業するのは簡単なんです。以下2点を実施します。

  • 自動積立設定を解除する。
  • 全額を出金依頼する。

スマホで親指1本あれば簡単に卒業(即ち解約)できるのですが、タイミングを誤ると少々後腐れが残ります。

自動積立の設定を解除する

WealthNavi の「積立」の画面からすでに設定している自動積立を解除します。

ただし自動積立は、引落日のだいぶ前に解除しないと停まりません

わたくし千鳥足は毎月26日に銀行口座から引き落とす設定にしていました。その場合15日までに解除しないと次回の引き落しは停められませんでした。引落日の11日~12日前、できれば余裕をもって2週間前には解除の処理をすれば後腐れなく卒業できます。

僕は解除が間に合わず、次回の積み立て(銀行からの引き落としと WealthNavi への入金)は動いてしまいます。そのおかねで再度ETF買い漁られたら、また損益が気になって出金しづらくなるのは嫌ですよね。でも入金されたその日の20時までに再度出金依頼をすればETFの買い付けは動作しないはずなので、そのように対応します。忘れていなければ。

全額を出金依頼する

WealthNavi の「出金」の画面から処理をします。金額を指定した出金と「全額」の出金が選択できますが、卒業するので「全額」を選択します。平日20時までに出金依頼をするとその日の夜のNY市場でETFの売却が行われ、現金化されます。翌朝にはきれいに現金のみとなっていました。

この「現金」が円建てのものなのかドル建てのものなのか、WealthNavi のUIでは判別付きませんし明確な記載は無いのですが、「よくあるご質問」の各所の書きぶりから類推するとすでに円転された円建ての金額のようです。(違っていたら後日修正します。)

出金依頼をした3営業日後に銀行口座に振り込まれるとのこと。この際に「当月分(出金日前日まで)の運用手数料」を差し引いた金額が振り込まれるようです。

WealthNavi を22ヵ月間続けた成果

最初に30万円で始めたほか、毎月3万円とFXで得た利益を積み上げてきました。22ヵ月間続けた結果、2,299,798円が積み上がりました。入金額は2,183,297円なので損益は+116,501円(+5.34%)です。

2017年のイケイケドンドン相場が終わる、まさにその直前の2018年1月から始めたので、まあこういう結果になりますね。長期投資が前提のサービスですし、この先長期で続ければもっと良い成果は出る可能性は高いですが、僕は卒業を選びました。

ちなみにこの22ヵ月間で得た各種ETFからの配当金、および WealthNavi に支払った手数料は以下のとおりです。

手数料 VTI VEA VWO AGG GLD IYR
25,638 11,923 15,548 5,279 6,810 0 2,742

WealthNavi を22ヵ月間続けた感想と評価

WealthNavi を22ヵ月間使用した感想・評価、卒業を選んだ理由を整理します。

WealthNavi は充分有意義なツールである

初めにお伝えしておくと、わたくし千鳥足は WealthNavi は初心者向けのサービスとして充分有意義なツールだと認識しています。

WealthNavi の積み立て状況を記事にするとき、僕は以下のように記載してきました。

ただ、WealthNavi の良いところは、投資を始めたばかりの人が、為替とは何ぞや・資産クラスとは何ぞや・株価とは何ぞや・バランスとは何ぞや・配当とは何ぞや・信託報酬とは何ぞやと云う細目の仕組みを垣間見れるところにあると思っています。幾らで何をどれだけ買い付けて・どれだけの配当が入り・どれだけの手数料が徴収されたか記録が残ります。

同様の営みは投資信託でも行われています。でもブラックボックスにパッケージされた投資信託ではその運営が伺い知れません。だからこそお手軽にストレスを感じず淡々と積み上げることができます。そして手数料が安い!…WealthNavi か投資信託か。ある程度金融商品の仕組みを知った方なら、投資信託一択で良いと思います。でも、初心者がその入り口から入って、そのまま何も理解せずに過ごすのはどうなんだろうと云う思いが僕にはありますね。

【ウェルスナビ】20ヵ月経過したWealthNaviの評価額は214万円。ドル建てでプラスも円建てでマイナス。為替の影響強し。

ブラックボックスの投資信託に対して、ホワイトボックスで素人でもその内側を垣間見ることができる WealthNavi のほうが、初心者の理解を助けると云う意味で良いと思っています。

理解を助ける結果、初心者は積み立てでは飽き足らなくなって WealthNavi を卒業して個別株やETFの売買に走るかも知れません。初心者を初心者のまま長期投資に漬けておくには、実はホワイトボックスの透明性よりもブラックボックスの不透明性のほうが向いています。為替とは・配当とは・信託報酬とはと云うことを WealthNavi の透明性の中で学んだ初心者は、きっと次の領域に踏み出すからです。

そう思うと、WealthNavi と云うサービスは利用者の啓蒙を通じて自己否定に陥いる仕組みになっている気がしますね。ウェルスナビ株式会社は何かしら WealthNavi 卒業生向けのサービスを用意して利用者を永続的に囲い込み啓蒙しつづける戦略を立てたほうが良いかも知れません。

WealthNavi を卒業を選択した理由

卒業する理由は前項ですでに書いたに近いですが、改めて記載しておきます。

手数料が高い。1%の問題よりも、資産総額にかかる仕組みが気に入らない

しばしば高いと言われる WealthNavi の手数料(1%)は、わざわざみなさんが口うるさく言うほどのことか?と思っていました。入金・資金のドル転・ETFの買い付け・定期的なリバランス…は、ストレス無しに行うことは出来ないし、ストレスがあれば積み立てを停めてしまうかも知れません。これをストレスあろうが無かろうが淡々と実施してくれる、その手数料としての1%が高いのか安いのか、これは一概には言えないように思います。

WealthNavi を投資信託と並べて検討するなら、手数料がより安い投資信託はたくさんあります。

いっぽう、投資信託と較べるのではなく米国ETFを保有することと較べるならば、もともと米国ETFは手数料の面で少額での分散投資には不向きであり、この点はWealthNaviの利点のひとつでありました。けれど、昨今では米国株・ETFの購入手数料が劇的に下がりました。米国ETFの自動積立の仕組みを持つ証券会社もあります。

つまり、米国ETFを保有することと較べて見ても、WealthNaviの手数料の高さが目立つようになりました。さらに言えば、そもそも資産総額全体に対して手数料がかかると云う「建て付け」は如何なのものかと云う思いもあります。ネット証券では米国ETFの売買には手数料がかかりますが、購入後のETFを保有し続けることでかかる手数料は、ETFの信託報酬手数料のみです。

WealthNavi の中で各種アセットに分散する必要は無い

WealthNavi では各種資産クラス・地域に分散投資をします。分散投資には VTI、VEA、VWO、AGG、GLD、IYR が使用されます。

VTI の割合が膨らんだところでVTIを売却してGLDに振り分けたり、VEAに振り分けたりするリバランスを見ました。これって必要なのかな?と思いました。

と言うのも、わたくし千鳥足は資産の全額を WealthNavi に預けているわけではありません。充分な生活防衛資金は確保しているし、家庭内の安心確保のために変動国債も充分な額を保有しています。WealthNavi 内で債券やゴールドなどへの分散は不要だと思いました。WealthNavi の外側でそのような分散ができているためです。

徴収された手数料の使い方に疑問

わりとこれが決定的だった気がしますが、たまたま目にしたTVCMに鼻白む思いがしました。

高い高いと言われている1%の手数料の使い道がこれかあと思うとね。

また直近では、以下のような方針も示されました。

ウェルスナビ(東京・渋谷)は人工知能(AI)が顧客の資産運用を助言するサービスを始める。AIが資産の増減や顧客の行動を分析して、一人ひとりに合わせた助言をする。投資を始めた後も顧客とコミュニケーションをとることで、長期での資産運用を後押しする。

(日本経済新聞)AIが資産運用アドバイス ウェルスナビ、10月にも

株価急落を気にしてちょいちょい資産の変動をチェックしに来る顧客には熱い励ましを送るようなサービスですかね?そこにおかね使います?そう思ったら卒業の意思が固くなりました。

個人的に WealthNavi に求めたいこと

手数料は納得できる仕組みに

「手数料1%は高いのでせめて0.5%に」と云う声とは別次元。手数料は総額に対してかかるのではなく、固定ないし積立額に応じた額、あるいは自動で行われる売買量に応じた額にして欲しい。だって積立金入金時・配当金入金時の買い付けやリバランス時の売買以外、WealthNaviのシステムって特に何もやっていないですよね

資産総額に対して手数料がかかるようだと、一般のネット証券に対してサービスの劣後が際立ちますし、いつまでも「初心者向けサービス」から脱皮できないと思いますね。

ドル建てでの出金を実装して欲しい

今回卒業がずるずる遅れた理由は、ドル安円高が急速に進行して、ドル建てでは利益が出ていても円建てではマイナスと云う状態が継続していたからでした。

米国ETFの売却即円転と云う扱いは、時として残酷すぎるので、ETFの売却のみしてドル資産として保管しておく、あるいはドルのまま出金できる仕組みが欲しいと思いました。

為替が損益に影響するのは投資信託でも一緒ですが、WealthNavi の透明性は為替の影響が如実に見て取れる優秀さゆえに、一気に円転まで行うかドルのまま置いておくかを選べたほうが有り難いと思いました。

ポートフォリオを自由に設計したい

WealthNavi が実現しているETFを0.001口の単位で買付・保有・売却する仕組み、定期的にリバランスをする仕組み、配当を再投資する仕組みは完成度が高いと思うのです。

この仕組みをそのままに、予め設定された固定的なポートフォリオだけではなく、顧客が自由にポートフォリオを設定できたら楽しい。卒業理由にも挙げた「債券やゴールドは不要」と云う声にも対応できます。手数料次第とはなりますが顧客の幅も拡がるように思います。

例えば「〇〇10種!」とか名付けたポートフォリオに合わせて、自動積立・リバランス・配当金の再投資を淡々と実行してくれるわけです。初心者向けの WealthNavi とは別のサービスとして、よりリスク許容度が高い顧客向けに提供するのはどうでしょう。ちょっと、WealthNavi とのスタンスが違いすぎますかね?

まとめ

WealthNavi は良いサービスだと思います。初心者がストレス無く投資を始めて、投資の仕組みや流れを把握するには良いですね。

いっぽうで、ネット証券各社の米国株売買コストが大幅に下がった昨今、やはり手数料の高さやその仕組みは個人投資家の理解を得づらいと思います。

TVCMや初心者向けのミーハーなシステムは排して、玄人でも満足する手数料で質実剛健なサービスを展開してくれたらと思います。

以上、22ヵ月間有り難うWealthNavi!!

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