バンダイナムコHD(7832)の事業内容と業績・株価・配当金の推移

バンダイナムコHD(7832)の事業内容と業績・株価・配当金の推移

この記事では、玩具やゲーム・娯楽施設・映像ソフト等の総合エンターテイメント企業である の事業内容・業績・株価・配当金の推移等をご紹介します。

 
 

バンダイナムコHD の事業内容

2005年に旧バンダイと旧ナムコが経営統合しバンダイナムコHDが設立されました。バンダイナムコHDはバンダイナムコグループを統括する持ち株会社です。

バンダイナムコグループは40以上の企業からなる企業グループです。

仮面ライダー・スーパー戦隊シリーズ・ウルトラシリーズやガンダム・ドラゴンボールなどの商品化権利を独占的に所有しキャラクター玩具の分野で国内随一の規模を誇るバンダイ、家庭用・業務用ゲーム最大手企業のひとつであるバンダイナムコエンターテイメント、テーマパークやアミューズメント施設を運営するバンダイナムコアミューズメント等が中心となって形成されています。

似たような企業は幾つか思い付きますね。総合エンターテイメント企業と云う位置づけでは、[9766]コナミHD、[6460]セガサミーHD、[9684]スクウェア・エニックスHD、[9697]カプコン などでしょうか。

多数のグループ企業が幅広い分野に展開していてその構成はなかなか複雑ですが、2018年には事業の重複等を廃して5つの「ユニット」と呼ぶ事業セグメントに合わせてグループを再編しています。

バンダイナムコHDの事業構成

バンダイナムコHDの2020年3月期のセグメント別の売上高をツリーマップで表してみました。

「その他」以外の「トイホビー」「ネットワークエンターテイメント」「リアルエンターテイメント」「映像音楽プロデュース」「IPクリエイション」が事業セグメントである5つのユニットとなっています。

バンダイナムコHDの地域別売上高

はグローバル展開にも力を入れています。

地域別売上高の推移と、地域別売上高の割合の推移です。

およそ80%が日本国内での売上になっています。正直なところもう少し世界進出しているものと思っていましたが、海外でも強いIPを保有している同社ですから、まだまだこれから拡大する余地があるのだと思いたいですね。

2020年3月期と2019年3月期とで地域別売上高の割合の推移を分かり易くしました。

海外での比率が伸びています。誤差の範囲と見えなくもありませんが、額で見ても海外での売上高はきほん右肩上がりです。

10年前の2010年3月期の地域別売上高と比較すると、アメリカは183.0%、ヨーロッパは96.1%、アジアは276.7%と、アジアとアメリカで顕著に伸びています。いっぽうで国内での売上高も2010年3月期に対しては202.3%と倍以上に伸びているんですね。10年前の売上高に占める海外の割合は24.4%。2020年3月期は20.0%。海外での売上高は右肩上がりなのに、売上高に占める割合は少し縮小しています。

バンダイナムコHDのトイホビー事業

トイホビー事業は株式会社バンダイが主幹します。

玩具・カプセルトイ・カード・菓子・食品・アパレル・生活用品・プラモデル・文具など幅広い範囲の事業となっています。

トイホビーと云うと子供向け商品が多いように思えますが、2020年3月期においてはフィギュアなどのハイターゲット(大人)層向け売上高がトイホビー事業の約40%を占めており、所謂「オタク」向けの商品が主力になっています。企業構成としてもトイホビー事業を主幹する株式会社バンダイと並列に株式会社BANDAI SPIRITS を2018年に設立してハイターゲット層拡大・海外事業の拡大に注力していますね。ハイターゲット層向けの「魂ネイションズ」ブランドが人気です。

バンダイナムコHD のネットワークエンターテイメント事業

ネットワークエンターテイメント事業は株式会社バンダイナムコエンターテインメントが主幹します。

ネットワークコンテンツの企画・開発・配信、家庭用ゲームなどの企画・開発・販売が主な事業内容となります。

ネットワークコンテンツは「DRAGON BALL」「ワンピース」「アイドルマスター」などの主力タイトルが稼ぎ頭となっています。家庭用ゲームではさまざまなプラットフォーム向けに豊富なタイトルを提供しています。

バンダイナムコHD のリアルエンターテイメント事業

リアルエンターテイメント事業は株式会社バンダイナムコアミューズメントが主幹します。

アミューズメント機器の企画・生産・販売、アミューズメント施設の企画・運営などが主な事業内容となります。

所謂「ゲーセン」てきな施設・機器・業務用ゲームから、バラエティスポーツ施設の企画・運営などを行っています。VRを用いた施設なども人気のようです。

VS PARK | その他の施設 | バンダイナムコアミューズメント「夢・遊び・感動」を。

バンダイナムコHD の映像音楽コンテンツ事業

映像音楽コンテンツ事業は株式会社バンダイナムコアミューズメントが主幹します。

映像音楽コンテンツおよびパッケージソフトの企画・製作・販売、ライブエンターテインメントが主な事業内容となります。

アニメ・映画などの劇場公開、Blu-ray Disc、DVD などを提供するほか、アニメやゲーム関連の音楽を中心に提供、アニメやゲーム関連のライブイベントも企画・運営しています。またこれらを融合させて、アニメとその音楽作品、声優が出演するライブとライブグッズを総合的に提供し人気を博しています。

声優のライブって何が楽しいのかな…?って懐疑的に思っていましたが、すげえ盛り上がってるんですね…。

バンダイナムコHD のIPクリエイション事業

IPクリエイション事業は株式会社サンライズが主幹します。

アニメーションの企画・制作、著作権・版権の管理運用、アニメ作品に係る音楽制作ならびに楽曲および原盤の管理・運用が主な事業内容となります。

ちなみに「IP」とは「Intellectual Property」の略で、キャラクターなどの知的財産を指します。IPを創出し、様々な事業を通じて育成、IPの価値を最大化していくことこそが同グループの持続的成長に繋がるとしています。

主要なIPには「機動戦士ガンダム」「ウルトラマン」「仮面ライダー」「スーパー戦隊」「アンパンマン」「ドラゴンボール」「アイドルマスター」「ラブライブ!」「プリキュア」などがありますね。自ら映像コンテンツの企画・制作をするとともにこれらIPのライセンス事業を行っています。

競合他社との事業比較

デジタルコンテンツやアミューズメント施設を運営する競合他社との事業構成や規模の比較を見てみましょう。

まずは再度、[7832]バンダイナムコHD の事業構成を確認しておきましょう。

これに対して、[6460]セガサミーの売上高構成。

[9684]スクウェア・エニックスHDの売上高構成。

[9766]コナミの売上高構成。

[9697]カプコンの売上高構成。

事業構成だけで較べて見ても各社の特徴が見て取れます。

他社と比較しての [7832]バンダイナムコHD の特徴は、以下3点です。

  • 玩具やフィギュア等からなるトイホビー事業を持つ
  • 声優によるライブ開催等、映像音楽プロデュース事業を持つ
  • IPクリエイションを事業の軸に明確に位置付けることによって、IPの創出と育成と云う方針を内外に明確に示す

さて、各社ごとの事業セグメントの構成を見てきましたが、仮に構成比率が同じおおきさであっても、そもそもの全体の事業規模にはかなり開きがあります。[7832]バンダイナムコHD は圧倒的ですね。

バンダイナムコHDに関するコメント

[7832]バンダイナムコHD は投資を始めた当初から欲しかった銘柄です。

アニメやゲームのコンテンツは日本が世界に誇れる分野のひとつですし、小学生の頃は部屋の壁をぐるーりガンプラで埋めて、「パックマン」「ギャラクシアン」「ディグダグ」「マッピー」「ゼビウス」等々に親しんだ世代であります。

「アイドルマスター」や「ラブライブ!」はよく知らんけれども人気はあるようだし、今でも唯一やるゲームは「ガンダム・オンライン」です。親しみあるコンテンツが多いので、当然ウォッチ対象になりますよね。

ちなみにその頃(2016年夏頃)は日経平均が16,000円台だった頃です。[7832]バンダイナムコHD の株価も2,700円~2,800円のあたりにありました。

躊躇している内に株価はニョキニョキ騰がってしまい、いまや当時の倍以上の株価になってしまいました。わたくし千鳥足が購入したのは6,000円近辺です。嗚呼、あのとき買っておけば良かったなぁ。そう思いますよね。

もっとも、株価はただ無闇に騰がったわけではありません。2016年3月期には157.42円だったEPSは、2019年3月期は288.39円まで騰がり、少し足踏みすることになった2020年3月期においても262.39円です。株価と同様に倍とはいきませんが、EPSも+60%以上伸びているんですね。

2020年3月期の3Q決算の発表で上方修正が飛び出し絶好調の業績を示したにも関わらず、上方修正の幅がコンセンサスを下回ったと云う理不尽(?)な理由で10%以上下げていましたので勇気を出して初めてINしました。

ホルダーとなって以降「プリキュア」や「アイドルマスター」の動画、 「ラブライブ!」のライブ映像を眺めたりして勉強に励んでいます。「プリキュア」とか話の展開がトンデモ過ぎてちょっとわかんねェェエww 僕はガンダムのセイラさん見てたほうが良いわぁ

バンダイナムコHDの業績・配当の推移

バンダイナムコHDの売上高の推移です。2022年3月期は新コロの影響が読めず、業績予想の算定が困難ということで未定です。リーマンショックの時分に縮小してはいますが、それ以降は堅調に伸びていますね。2020年3月期は久しぶりに縮小したものの、コロナ禍直撃の2021年3月期は回復し企業の対応力を示しました。

営業利益と売上高営業利益率の推移です。年により凹みもありますが、リーマンショック後の谷を抜けて以降はおおむね堅調に営業利益を伸ばしています。コロナ禍における2021年3月期の利益の維持拡大も素晴らしいですね。

配当と配当性向の推移です。連続増配の約束がある銘柄でもなければ高配当利回りの銘柄でもありません。なお2022年3月期の配当に関する公式な予想は1株あたり48円ですが、株主総還元性向50%以上の方針を掲げているので、これが全部配当として還元されたら?を想定して118円をプロットしています。

株主還元の基本方針は以下のとおりです。

具体的には、長期的に安定した配当を維持するとともに資本コストを意識し、安定的な配当額としてDOE(純資産配当率)2%をベースに、総還元性向50%以上を目標に株主還元を実施することを基本方針としています。

https://www.bandainamco.co.jp/ir/stock/dividend.html

キャッシュフローの推移です。毎年相応の投資が必要な業種ではありますね。ただ想像していたよりもフリーCFは潤沢でした。

バンダイナムコHDの株価推移

[7832]バンダイナムコHD の株価の1年間の推移です。チャートは Yahoo!ファイナンスのものを引用しています。

株価は2020年の12月に天井を付けて、以降下落傾向にありました。2021年8月頭に2022年月期1Q決算が発表され、直近では株価がグッと回復しています。

業績はまだまだ上方修正されそう?バンダイナムコHD(7832)のFY2022 1Q決算 の好感を受けて

同じく10年間の株価推移になります。

10年間で見ると、いまいまのこの谷も恐れるに足らず…と思えるくらい、きれいな右肩上がりですね。

[9766]コナミHD、[6460]セガサミーHD、[9684]スクウェア・エニックスHD、[9697]カプコン と10年間の株価推移の比較です。

期間の切り取り方次第で見え方は全然違ってくるのですが、少なくともここ10年間で見れば独り勝ちと言って良い推移です。

直近で10%以上の下落があったとは云え高値圏にあるのは間違いありませんので、業績や業績見通し次第でおおきく下げる場面もあるかも知れませんが、同社の強いIP戦略を信じて気長に保有しておきたいと思います。

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