業績はまだまだ上方修正されそう?バンダイナムコHD(7832)のFY2022 1Q決算 の好感を受けて

業績はまだまだ上方修正されそう?バンダイナムコHD(7832)のFY2022 1Q決算 の好感を受けて

は、2021年8月5日の引け後に2022年3月期1Qの決算を発表しました。

決算では1Qの好業績とともに、上半期業績見通しの上方修正が発表されました。

  • 1Q決算は、前年同期比で売上+22.8%、営業利益+35.7%、経常利益+40.9%、純利益+58.7%
  • 上期予想は、従来予想比で売上+8.6%、営業利益+22.9%、経常利益+29.6%、純利益+30.0%
  • 通期業績予想は据え置きでした。

通期業績予想が据え置かれたため、好決算を発表しても叩き売られる銘柄が目立つ環境下、翌日の株価を心配する声もありましたが、翌日の株価は482円高の+6.72%と急騰、素直に好感されました。

 
 

2022年3月期 1Q決算の好感度

どのへんが素直に好感されたのか、[7832]バンダイナムコHD の決算短信と説明資料を眺めて収集してみました。

前年の巣篭もり需要を超えられないのでは?という危惧を一掃

昨年12月あたりを頂点とする株価下落の基調は、「巣篭もり需要」に支えられた前期業績の伸びを今期は超えることができないのでは?という危惧が影響していたと思います。

実際にデジタル事業の業績は振るいませんでした。

デジタル事業においては、家庭用ゲームの新規タイトル『SCARLET NEXUS』が好調なスタートをきりました。それに加えて、既存タイトルのリピート販売本数が 813 万本となり、引き続き好調に推移しました。ネットワークコンテンツでは、『僕のヒーローアカデミア』の新作タイトルが順調なスタートを切ったほか、主力タイトルが安定的に推移しましたが、ネットワークコンテンツ全体では、巣ごもり需要により好調だった前年同期には及びませんでした。また、前年同期は、家庭用ゲーム、ネットワークコンテンツとも大型新規タイトルのリリースがありませんでしたが、当第1四半期には新規タイトル導入に伴う初期費用によりコストが先行しました。

バンダイナムコグループ 2022 年3月期 第1四半期決算テレフォンカンファレンス(2021 年8月5日)説明概要

デジタル事業は前年同期比で売上87.4%、利益61.0%と前年同期割れを起こしています。

それでも全体では強かった、というのが今回の1Q決算でした。ほかの事業がにょきにょき伸びます。

デジタル事業と並び同社事業の柱であるトイホビー事業は、売上150.1%、利益225.3% とおおきな伸長を見せました。

トイホビー事業は、第1四半期としては過去最高の業績となりました。ガンプラやフィギュアなどのハイターゲット層(大人層)向け商品が、国内外で好調に推移したほか、前年同時期に新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたアミューズメント施設向けのプライズ商品などのカテゴリーが回復しました。また、『鬼滅の刃』などの新規IP商品の人気が続いているほか、IP を活用した商品だけでなく、ノンキャラクター商品もヒットしている菓子やカプセルトイ、北米向けの「デジモン」のトレーディングカードなどの玩具周辺商材が人気となりました。

バンダイナムコグループ 2022 年3月期 第1四半期決算テレフォンカンファレンス(2021 年8月5日)説明概要

全事業に占める割合は少ないものの、映像音楽事業も売上221.6%、利益832.3%と劇的な回復をしており、企業の力を如実に示して心強いです。

映像音楽事業は、主力 IP の映像・音楽のパッケージ販売を行ったほか、ゲーム関連へのライセンス収入が業績に貢献しました。また、前年同期には新型コロナウイルス感染拡大の影響でほとんど開催できなかったライブイベントが、配信や新技術の活用もあり、開催数が前年同期の4回から 146 回と大幅に増加しました。

バンダイナムコグループ 2022 年3月期 第1四半期決算テレフォンカンファレンス(2021 年8月5日)説明概要

デジタル事業の前年比の反動を多様な事業ポートフォリオでカバーして、投資家の懸念を一掃したのが今回の1Q決算でした。

前々年度同期と比較しても伸びている

前年同期比で伸びてたって、それコロナ禍初期との比較でしょ?…まさにそうなのです、コロナ感染者は初期より今のほうが増えていても、初期のほうがより恐れられていましたからね。実際、前年同期の同社業績はその前の年に比べて落ちていました。今期1Qの業績は「伸びて当たり前」という評価になりますね。

なので前々年度同期、つまりコロナ前同期と比較してみます。

前々年度同期比で、売上+11.8%、営業利益+18.4%、経常利益+20.7%、純利益+23.6%。

コロナ前の業績と比較しても素晴らしく伸びていることが分かります。

コロナ禍は継続していて、業績が振るわない事業は依然としてあるにも拘わらず、です。

ほんとうは、事業別に前々年度同期比を確認したいところなのですが、今期より新たな事業セグメントに整理されていて比較ができませんでした。事業セグメントを組み替えるときは、過去に遡って業績の再整理をして欲しいなあ…と思います(´ω`;;)

海外がめっちゃ伸びてる

地域別売上高と営業利益の前年同期比を確認してみましょう。

  • 日本 売上118.0%、営業利益133.5%
  • アメリカ 売上125.4%、営業利益133.5%
  • ヨーロッパ 売上152.5%、営業利益146.7%
  • アジア 売上144.7%、営業利益149.7%

日本でも伸びましたが、海外の伸びが顕著です。同社の売上は世界に拡がっていると見えてまだ日本国内が8割弱を占める状況なので、日本国内の業績を維持拡大することも重要ですが、成長の余地は海外にあります。

ハイターゲット商品については、ガンダム実物大立像を設置した中国、マス流通での展開が順調な北米で、ガンプラが好調に推移しています。海外展開にあたっては、IP や商品を一過性のブームに終わらせることなく、プラモデルをつくる文化そのものを定着させたいと思っています。

バンダイナムコグループ 2022 年3月期 第1四半期決算テレフォンカンファレンス(2021 年8月5日)説明概要

[2801]キッコーマン が醤油文化を地道に丁寧に世界に広めていったように、同社が世界に日本のプラモデル文化を広めていくことに好感と期待を抱きます。

四半期単位で過去最高益

営業利益、経常利益、純利益、いずれを取っても今回の2022年3月期1Qの業績は過去の四半期単独の数値と比較して最高の利益額でした。

年末商戦で業績が上向きやすい3Q単独と比較しても今回の1Q決算の業績が上回っています。

デジタル事業においては「新規タイトル導入に伴う初期費用によりコストが先行」していると言うにも拘わらず!単にコロナ禍の環境特需やその反動を云々する以上に企業が筋肉質になっている様を感じます。同社にガチムチマッチョは似合わないので、しなやかで美しい細マッチョであります(願望ですw)。

上半期業績予想はまだ上振れ余地大

同社の業績予想はだいぶ保守的で慎重であることで知られています。

ちなみに、今回は上半期業績予想を上方修正してきましたが、これをそのまま捉えると、2Qの売上高は前年同期比で+5.1%を予想していることが分かります。

  • 1Q売上高 178,049百万 +22.8%
  • 2Q売上高 201,951百万 +5.1%

これはまあ妥当な予想のように思えます。2Qは前期においてもその前の期の業績を超えていましたからね。

ただ、利益のほうはだいぶ慎重な数字が並んでいるように思います。

  • 1Q営業利益 27,021百万 +35.7%
  • 2Q営業利益 15,979百万 -38.6%
  • 1Q経常利益 28,754百万 +40.9%
  • 2Q経常利益 17,246百万 -35.6%

1Qの上振れを帳消しにしたいのかな?笑 デジタル事業のビッグタイトル発表に向けて2Qも引き続きコストが先行することは理解しますが、ここまで凹むかなあ?という印象はあります。もちろん仮に凹んだところで一時的なお話なので問題は無いのですけど。

ちなみに同社は、決算短信の業績予想について以下懸念材料を挙げて、業績予想は「保守的ですよ」と囁いてくれています。

※ご参考 発生または想定している新型コロナウイルス感染拡大による事業への影響

  • 販売店休業等による消費への影響
  • イベントの延期や自粛、それに伴うプロモーション等への影響
  • 商品の開発スケジュールへの影響
  • 自社工場及び協力工場における生産スケジュール等への影響
  • 家庭用ゲーム、ネットワークコンテンツの開発スケジュールや運営体制への影響
  • アミューズメント施設等の休業による影響
  • 映像制作や作品公開、パッケージ販売スケジュールへの影響

2022年3月期 第1四半期決算短信〔日本基準〕(連結)

「バンナムくんの怖がりっ!ばかっ!!」そう言って頬を叩き励まして差し上げたくなる臆病っぷりです。

もちろん、コロナ禍は変異株の蔓延により新たな局面に入っており、どうなるかさっぱり分からんからまったく言わん、という慎重姿勢は企業としては正しいとは思いますけどね。

通期業績予想も上方修正されるんじゃないかな?

投資している個人としては、そんな慎重姿勢の向こう側にある実際の将来を予想したいところです。

固定されたままの通期業績予想に従えば、売上高進捗率は1Qで23.7%、上半期で50.7%です。同社の売上は季節による偏りがあります。過去5期の通期売上高に対する上半期売上高の進捗率は平均で46.5%。据え置かれたままの通期予想は、だいぶ保守的な数値が残されていることが分かります。

同様に経常利益も、過去5期の上半期進捗率が平均55.1%なのに対し、上半期業績予想は60.5%の進捗を数えることになるので、こちらもだいぶ保守的です。

ということで、通期業績予想もいずれ上方修正されるだろうな、と踏みます。

前期においても通期業績予想が上方修正されたのは3Q決算発表のときなので、それまではこのまま据え置かれそうですね。

また、同社の予想では年間配当は1株あたり48円と示されており配当利回りは0.62%という計算になるのですが、同社の株主還元政策は総還元性向50%以上を目標とするものです。現状の保守的な通期予想でもEPSは236.72円なので、これが全部配当で還元されるならば、現状の保守的な予想でも(しつこい)118円の配当が推測されます。118円なら現在株価に対して1.52%の配当利回りという計算になりますね。

手持ちの株の保有方針

以上、今回の決算内容を確認したところ、わたくし千鳥足には少なくとも今期という短い期間では、同社の明るい姿しか見えませんでした。株価は騰がる方向で想像しています。

なので現物は継続保有。世界により羽ばたいて欲しい企業ですから長期保有で考えます。

信用の買い玉は、株価がゆるゆる騰がるだろうことを見通して、ほどよいところで指値を入れておきます。別の銘柄の信用取引で含み損も抱えているので、あまり欲張らずにおこうと思いますw

以上、[7832]バンダイナムコHD の2022年3月期1Q決算の確認でした。

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