島津製作所(7701)の事業内容と業績・株価・配当金の推移

島津製作所(7701)の事業内容と業績・株価・配当金の推移

この記事では、「科学技術で社会に貢献する」を社是に掲げ、計測機器・医用機器・航空機器・産業機器の分野に最先端の分析・計測機器を開発・生産する企業である の事業内容・業績・株価・配当金の推移等をご紹介します。

実は「ご紹介」と言うのはおこがましい。

何を隠そう、雰囲気で購入した同社の株が、最近好業績サプライズで元気なのです。

( ゚∀゚)o彡゚ 好業績好業績!! と歓びはしたものの、あれ?どんな企業なんだっけ?…株を保有しているクセして、同社のことをほとんど知らない!ということに気付いたので、調べがてら、その内容を記事にしておこうと云う姑息な流れであります。

 
 

島津製作所 の事業内容

島津製作所は1875年(明治8年)、初代島津源蔵が京都木屋町二条南で創業した企業です。初代島津源蔵は仏具製造を営む家に生まれ、自身も家業を修め21歳で分家・独立しましたが、想像するに商売が退屈だった(?)のに加えて好奇心旺盛なヲタクに近しい人物だったのでしょう、近所の舎密局せいみきょくに足しげく出入りしていたようです。舎密局とは、明治政府が殖産興業のために大阪・京都に設立した化学技術の研究・教育および勧業のための官営・公営機関です。舎密局で得た知識をもとに教育用理化学機器の製造を始めたのが、島津製作所の成り立ちです。

同社の株式を「雰囲気で買った」わたくし千鳥足は、社名と丸十の社章から、同社は薩摩藩の名君島津斉彬公が遺した研究機関が発展したとかなんとかと勝手に空想していたのですが、薩摩島津家と無関係ではないにしろ全く違っていました。創業者の祖先である井上某と戦国時代の豪傑島津義弘公とが出逢い、井上某の誠実な働きぶりに感謝して「島津の姓」と「丸に十字の家紋」を贈られたと伝えられているようです。この家紋を島津製作所の社章に使ったのでした。

島津製作所の事業構成

島津製作所の2020年3月期のセグメント別の売上高をツリーマップで表してみました。

セグメントは計測・医用・産業・航空の4つに分類されます。

計測セグメント

売上高の61%を占める「計測」は、液体クロマトグラフ・質量分析計・ガスクロマトグラフ等を重点機器として様々な計測用機器から構成されます。…ってやっべ既にわかんねww

さっぱり分からず、このまま書き進めることが困難そうだったので、調べてみました。調べた結果をまとめておきますね。

  • 液体クロマトグラフ
    分析化学や生化学で俗に「液クロ」と呼ばれる化合物の精製方法。移動相として高圧に加圧した液体を用いる。要するに移動相溶媒をめっちゃ加圧して高速&強烈に流動させる。そのときに筒状の容器に仕掛けられた充填剤との親和性や分子の大きさの相異などを利用して化合物を分離する。島津製作所のNexeraシリーズなどは100MPaを超える加圧を可能にする「超高速液体クロマトグラフィー」と呼ばれるシステムで、簡単に言うとめっちゃ高速・高分離能での分析が可能となった。らしい。
  • ガスクロマトグラフ
    この分野では俗に「ガスクロ」と呼ばれる化合物の精製方法。試料と移動相が気体であることが特徴。液体クロマトグラフでは分析が困難な沸点の勾配によって分離される物質の分析に優れ、醸造・香料・油脂・石油化学などの分野で広く用いられる。
  • 質量分析計
    「MS」と表記して「マス」あるいは「エムエス」と呼ぶ分析手法。高電圧をかけた真空中で試料をイオン化すると、静電力によって試料は装置内を飛行する。飛行しているイオンを電気的・磁気的な作用等により質量電荷比に応じて分離し、その後それぞれを検出することで、…(中略w)…既知物質の同定や未知物質の構造決定にはきわめて強力な手段であり、有機化学や生化学の分野で多用される。ううううああああああああ!!!

ということで。

さあ、僕のまとめは…、

 

いかがでしたか?じゃねええwww 

書いててもさっぱり分かりません。

けれど、雰囲気は理解した。

そう、僕らは雰囲気で株をするのと同様に、雰囲気で化学を理解するのです。

これらの計測用機器はヘルスケア分野(医薬・食品・医療機関)・産業関連分野(化学・素材・電機・自動車)・大学官公庁分野など幅広い分野から需要があります。そして島津製作所は、1956年に日本初のガスクロマトグラフ、1978年に日本初のモジュラー構造の液体クロマトグラフを開発している国内の先駆けの企業であります。

この計測セグメントの営業利益率は2020年3月期で15.1%と他のセグメントに対し格段に高効率の利益を出しています。

医用セグメント

X線装置がこのセグメントの7割超を占めています。医療現場で使われるものですね。

ちなみに島津製作所は1896年、レントゲン博士がX線を発見してから11ヵ月後にX線写真の撮影に成功、1897年には教育用X線装置を販売開始、1909年日本初の医療用X線装置を開発・販売、1961年に世界で初めて遠隔操作式X線テレビジョン装置を開発しています。

医用セグメントの営業利益率は2020年3月期で4.5%とあまり高くありません。例えば中国市場では中国国産メーカー優遇の中国政府方針もあり競争が激化しているようです。

産業セグメント

ターボ分子ポンプが4割・油圧機器が3割・その他機器が3割という構成のセグメントです。

ターボ分子ポンプは、機械式真空ポンプの一種で、ロータが高速回転し気体分子を弾き飛ばすことによりガスを排気するポンプです。半導体・FPD製造プロセスを始め幅広い分野で応用されています。

油圧機器は油圧ギヤポンプなど、産業車輌、建設機械、農業機械、特装車などの油圧源として、 社会の幅広い分野で活用されています。

半導体からフォークリフトや小型建機まで幅広く使用される多様な機器があります。

このセグメントの営業利益率は2020年3月期で8.5%と計測セグメントには及びませんがまずまずの高さです。

航空セグメント

防衛関連が9割弱、民間航空関連が1割強という構成のセグメントです。

防衛関連では新型輸送機向けなどが増えています。民間航空向けにはギヤボックス、バルブモジュール等の機器を生産・販売しています。

このセグメントの営業利益率は2020年3月期で2.6%と低いです。2021年3月期~2023年3月期の中期経営計画では「事業全体の見直しを実施」とされており、縮退の方針を示しています。

島津製作所の地域別売上高

地域別売上高の構成比率を見てみましょう。

少しずつ海外の比率が拡大して、2015年3月期以降は売上高のおよそ半分が海外という状態が継続しています。

中国およびアジア、北米、欧州をカバーしており、中南米・中東にも触手を伸ばしています。アフリカはこれからですね。

島津製作所のアフターマーケット比率

島津製作所の2018年3月期~2020年3月期におよぶ3ヵ年の中期経営計画では、アドバンスト・ヘルスケアの取り組みとともに、アフターマーケット比率の向上を目標に掲げていました。

機器の新規売りだけではなく、その後の保守サービスや試薬・消耗品販売の事業により売上拡大を目指しています。

2020年3月期の4Qでは、計測セグメント32%、医用セグメント30%、ターボ分子ポンプの18%が売上高に占めるアフターマーケットの比率となっており、中期経営計画での目標値をきれいに達成しています。

島津製作所の中期経営計画

島津製作所は、2021年3月期~2023年3月期の中期経営計画を発表しています。

「緊急重要課題への取り組み」として感染症対策プロジェクトを推進する一方で、4つの成長戦略として以下の内容を宣言しています。

重点事業においてハイエンド製品を強化し、AI等を活用した製品ラインアップを拡充、世界各地域の有力パートナーと連携して海外シェアのアップに取り組み、アフターマーケットともに課金型の新ビジネスモデルを構築、積極的に投資していくという方針ですね。

2020年3月期の売上高3,854億円を2023年3月期には4,000億円まで伸ばすとしています。計測セグメントは重点機種の強化とリカーリング事業をテコに7.5%のアップ、産業セグメントは5Gなど半導体分野での伸びを目指し16.2%のアップを宣言しています。

島津製作所に関するコメント

島津製作所株の購入はほんと雰囲気で買い付けたもので…。

新型コロナウイルスの感染が拡がるさ中、PCR検査の煩雑な手間を省き、検査時間を半分にする機器を発表しました。この機器開発の取り組みは3月4日に着手することを島津製作所が発表していて、上記報告が4月10日、機器の発売が4月20日という早さです。有言実行の頼もしさと社会課題への取り組みの迅速さに感銘を受けて、つい嬉しくて1単元買ったのでした。

この記事の冒頭で白状しておりますとおり、この時点で「島津製作所が何してる企業なのか」僕はよく知りませんでした 笑

本日こうして色々同社についての理解を深めるにあたり、思ったことは3点。

  • めっちゃ難しいことやってんなw
  • めっちゃ幅広い分野の製品扱ってんなw
  • めっちゃ堅い!

何も理解してなさそうな感想でスミマセン!

幅広い分野の製品を扱っている点は、業績を見通すことが難しそうな印象です。新型コロナウイルス関連で購入したので医療向け計測用機器を開発しているとは知っていましたが、その計測用の機器が電機や自動車の分野でも使われているとは知りませんでした。また5Gの半導体需要の高まりが業績に影響する企業だとも認識していませんでした。

こういうときに使うための画像ありましたよね。あ、これこれ。

ぜんぜんわからないけれども、めっちゃ好きにはなった。なんかさ、ほら、堅そうだし

もうさ、「好き」てだけじゃダメですかね…(´・ω・`)…?

バフェットさんは「自分の理解できないものには投資してはいけない」と言ったそうです。確かに保有し続けるなら、同社が生産・販売する各機種が、業界でどのような優位性を持っているのか、少しは知見がないといけませんね。僕には理解力はないし、理解を助けてくれるツテもありません。

まあでもさ、非喫煙のくせして 保有して高配当とか沼とかワイワイしてる人たちと同じよなもんだよね?(*^ω^*)

保有してるの1単元だけですし、保有しながら少しずつ知っていくという付き合い方もアリですね。

島津製作所の業績・配当の推移

島津製作所の売上高の推移です。2021年3月期の数値(橙色)は予想です。

新型コロナウイルスによる経済の停滞は同社の業績に影響します。直近2021年3月期1Qの決算説明資料では以下のように整理されています。

事業もその売り先の業界も多種多様なので、ひとつ新型コロナウイルスの影響をとっても、○な分野もあれば×の分野もあるということです。この傾向は1Qの業績にも現れていました。にも拘わらず1Qの売上高は前年同期比で微減程度だったので、これからの影響の現れ方も、そうそうおおきく業績を崩しにくるような形はなさそうだと睨んでいます。

営業利益と売上高営業利益率の推移です。堅調に収益力をあげてきましたが、2021年3月期は大幅な減を予想しています。

配当と配当性向の推移です。長らく増配を続けてきましたが、2021年3月期は減配の予想です。

減配ではあるけれども、2021年3月期の純利益は前期比50%減であるのに対し、配当は13%減に抑えています。「ステークホルダーへの着実な還元を実施」という方針のもとでこの決定を下したと明言しており、無闇やたらに大型減配をするような企業では無さそうです。

島津製作所の株価推移

の株価の1年間の推移です。チャートは Yahoo!ファイナンスのものを引用しています。

新コロの影響で3月下旬におおきく落ち込んでいます。

4月のPCR検査機の発表で株価は一時的に跳ね上がりましたが2020年3月期の決算および2021年3月期の業績予想が示され停滞しました。

そして8月の初めに1Qの業績が発表されると、想定外に好業績なサプライズ決算となり株価はバビュン!と騰がりました。

1Q決算は、売上高微減も利益爆増・第一四半期として過去最高の営業利益という素晴らしいものでした。経費抑制による増益とのことなのですが、これが再現性のある抑制なのかどうかが重要そうですね。新コロを機にめっちゃマッチョな体質に改善できたのなら凄いけれども、さすがに短期間でそこまで改善するのは無いでしょうから、次回2Q決算の業績が要チェックですね。

同じく10年間の株価推移になります。

10年間で見ると、これまできれいに右肩上がりに騰がってきました。2018年の終わりあたりからぐずついてはいますね。近年の景気動向に乗ってきた企業の大半はこういうチャートになっていそうな気もしますけどね。

「よくわからない」「雰囲気で投資してる」状況ではありますが、毎々決算資料に目を通すことを怠らないことを前提に、当面は保有したいと思います。何故なら、2Q決算もまずまずな業績を出してくれるんじゃないかなという予感があるからです。予感の根拠はありません。「雰囲気」です。当たり前じゃないですか!!

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