転職市場は活況!人材の流動がブラック企業を淘汰する。ようやく我が勤め先も動きそうだよw

  • 2018.11.11
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  • upd:2019.03.24
  • 日記
転職市場は活況!人材の流動がブラック企業を淘汰する。ようやく我が勤め先も動きそうだよw

記事の本旨とはあまり関係がないのですが、たまたま見かけて、フウンと思ったツイートを引用。お二人とも僕とは異なる次元の経済社会に生きておられるのかな。(・ω・)

いまや、転職市場は活況ですw 現場からレポートします。

 
 

転職市場は活況だ

高いところか低いところかと言えば、中小IT企業である我が勤め先は「低いところ」な部類だと思うのですが、そういう「低いところ」から見ていても、現在の転職市場は活況だし、賃金増の流れは明らかにその「低いところ」まで及んできています。

どうやって「低いところ」まで及んできたかと云うと、それは労働組合のような組織の活動の成果ではなく、良くも悪くも政治経済の活性に拠るものだと思っています。

好景気と労基タイフーンが人材不足を呼んだ

人材不足が転職市場の活況を呼んでいます。

そして人材不足の要因はまず世界全体の好景気による側面がおおきいです。もうひとつ、あまり言われることが無いように思いますが、ここ数年来吹き荒れた労基の嵐(労務管理に関する指導)による労働時間の改善がダブルで人材不足を呼んでいます。

好景気はいつまでも続きはしないだろうけど労働時間の枷はもう後戻りはしないし、できないでしょう。だからきっと人材不足はこれからも企業活動の底流を流れていくのだろうな。これは労働者の立場で見れば良いことです。人材不足は賃金増につながるからです。

離職者の大半は給与が不満で離職する

少なくとも我が勤め先においては、ここ2年ばかりの期間の離職者の大半が離職理由に「給与等の処遇」を挙げています。転職先の内定を得てから相談(と云うか事実上の通告)にくる場合がほとんどで、転職活動をして面談した結果いまよりも50万~150万多い年収が得られると言われると、引き留めたいと思ってもグゥの音も出ません。

もう少し正直に言うと、グゥの音も出ないが処遇改善を図るから再考してくれ!と引き留めたい社員と、えええ?あの大手企業はこいつにそこまでの価値を見出したの?!とグゥの音も出ず引き留める気にもなれない社員と2通りありますが、それはともかくとして転職市場は活況だし、より良い賃金・処遇を見つけて多くの者が転職しています。

同時に我が勤め先に転職してくる者も多数います。彼らもまた給与等の処遇の改善を求めて入社してきます。

人材の流動がブラック企業を淘汰する

こういう事象は、一企業の内側で引き留める側に居るので悩ましくはありますが、第三者的な目線で見れば、労働者がより好い条件を求めて転職すること自体は至極健全な歓迎すべき事象です。人材の流動が平均賃金・労働環境その他処遇の改善に直結します。追随できないブラックな企業、あるいはブラックでなくても満足のいく処遇を与えることができない企業は、人材を繋ぎ留めきれず人材不足が顕著になり淘汰され廃業するしかない、そういう社会が成立したら良いなと思います。

事実、IT業界とりわけ中小のIT企業と云ったら、数年前までは濃厚ブラックな企業が多かったですが、多くの企業が徐々にホワイト化しています。

まあ、もっとも僕は、働き方改革と云う画一的な対応はあんまり好きではないのですが。

飲みながら「働き方改革」についてあれこれ話した一週間

労働者は今の環境が不満なら早々に見限るべきだ

現状に不満があるなら転職したら良い。可及的速やかに転職したら良い。

終身雇用が幻想であると云う事実にほとんどの労働者が気付いているにも拘わらず、きちんと理解していない甘さがありますよね。たとえば外国人労働者の離職率をきくと、だから外国人は…と嘆いたりする。いや、転職の回転が速いのは世界では普通で、日本が普通ではないのだと云うことに気付いたほうが良いです。

人材の流動は世の中の労働条件をローラー式に均して水準を引き上げるはずです。あなたの処遇改善に興味がなさそうな企業など早々に見限るが良い。そういう流動が社会を良くします。少なくとも、徒党を組んで分配を!分配を!と叫ぶよりはずっと効果的だ。

ダメ企業は早々に淘汰されてしまえ

賃金が騰がれば製品やサービスの提供にかかる原価が上昇するので、そのままでは企業利益を圧迫します。

企業が低利益率に甘んじるようではダメで、一定の利益率を求めるべきです。このとき、たとえば飲食店が食材の品質を落として利益率を得るようなことはして欲しくないですね。それは最貧国に進む道筋です。素直に値上げしてしまえば良いと思います。価格競争力が無いとなれば、付加価値をつけるか、あるいは生産性を高める活動が必要となりますね。いまやロボティクス技術もあればAI技術もあり、投資対効果の高い生産性向上策は見つけやすいと思います。

いやいやそんな投資資金は無いし、取引先に値上げ要求をすることもできない、利益率もギリギリ一杯の水準だし、だから社員の給与を上げることはできない。もしそんな企業があるとしたら、そんな企業は淘汰されてしまえと云うことです。存在する価値が無いので、人材の流動があれば、自然と淘汰されるのです。

祝! 我が勤め先も処遇改善を決意

我が勤め先にも処遇改善の波を引き寄せることができました。

「給与等の処遇」による離職の多さに、我が勤め先もさすがにのうのうとして居られず、ようやく社員の処遇改善に手を付けようとしています。わたくし千鳥足も経営層の端っこにいるので、その活動を推進している立場です。

処遇改善は全員に行き渡らない、むしろ格差を是認するもの

とはいえと云うべきか、もちろんと云うべきか、これは慈善事業ではなく利益を追求する企業活動の一環なので、全員が全員に行き渡るような処遇改善と云うわけではありません。

管理職の給与増、評価基準の明確化と飛び級制限の撤廃、賞与原資を業績連動させるルールの明文化、賞与評価による係数カーブのスティープ化などなど、企業として居て欲しい人材が満足して居ついてくれる改善の仕方になりますね。そういう意味では「低いところの中では高いところ」に及ぶ話なのかも知れません。我が勤め先と云う極小な範囲の話ではありますが、格差は生じます。でもそれは仕方の無いことですね。いまどき共産主義にだって(いやむしろ共産主義のほうが)格差があります。

住宅手当の復活も、若手に居て欲しいから

若手社員の救済として、住宅手当の復活も検討しています。

救済と云うと聞こえは良いですが、”若手”と云う可能性のある人材を手放したくない、そういう企業本位の発露でもありますね。

好景気の影響は末端まで波及しつつある

こうして身近に好景気の波が押し寄せてきて「賃金増」が現実化しそうな様子を見ると、政府・日銀が希求してきた「インフレ」も現実に起きるのだろうな、もう間近なのだろうなと思っています。そのときが景気の峠なのかな?という不安も若干あります。

政府が望む物価上昇は現実に起きうる

政府・日銀は2%のインフレ率を目標にしてきました。

そのいっぽうで携帯電話の料金を安くしろ!とよくわからんデフレの推進を手掛けてもいますが、現実に運送関連、飲食関連、ひたひたと物価上昇の足音が現実に聞こえてきていますね。あるとき堰を切ったように各所から値上げの報せが押し寄せるときがきます。

だからこそ投資が必要だ

社会の末端企業に勤める現場感覚から言って、賃金増は起きるし、インフレは起きます。インフレは国策でもあります。

だからこそ、わたしたちは投資を「富裕層がさらに格差を生むためのツール」などと言って遠ざけずに、「インフレに負けないためのツール」として活用するほうが賢いです。わたしたちは労働者として給与所得を得る傍ら、たとえば株式を購入することで、株主として企業の側から直接的な経済的利益を享受することができます。

以上、中小IT企業の現場から、現状のレポートでした!

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