我が家の電力、TEPCOの「プレミアムプラン」から「プレミアムプランS」に切り替えてほぼ1年が経過しました。
【電気代】あれ?!むしろ割高?TEPCOプレミアムプランの罠
「プレミアムプランS」に切り替えた効果を確認してみました。
1年間の電気料金と電力使用量
まずこの1年間の電気料金の合計をその前の1年間と比較してみます。「プレミアムプラン」から「プレミアムプランS」に切り替えたのは2017年9月~なので、前年の数値には1ヵ月分だけ「プレミアムプランS」だった月の数値が含まれるのですが、まあ細かいことは気にしないでおきましょう。「くらしTEPCO」のサイトでは現在から過去2年間の情報しか見ることができないので、これより遡った過去2年間を比較することができなかったのです。
期間 | 電気料金合計 | 前年比 |
---|---|---|
2016年10月~2017年09月 | 267,804円 | – |
2017年10月~2018年09月 | 272,486円 | 101.7%(+1.7%) |
あれ。電気料金、増えていますね。前年比101.7%なので、+1.7%電気料金が増えています。
と云うことは電力使用量が増えたと云うことですかね。次に1年間の電力使用量を比較してみました。
期間 | 電気料金合計 | 前年比 |
---|---|---|
2016年10月~2017年09月 | 9,655kWh | – |
2017年10月~2018年09月 | 9,564kWh | 99.1%(-0.9%) |
あれ。電力使用量は減っています。
電力使用量は抑えられているのに、電気料金は騰がっている…?!
こういうときに慌ててはいけないことを僕は前回調べたときに学んでいます。電気料金は幾つかの構成要素で成り立っているので、その内訳の変化を比較しないと、前年比をとってもあまり意味がないのです。
電気料金の構成要素の確認の仕方
書面の「電気料金等のお知らせ」で確認する
毎月TEPCOから郵送されてくる「電気料金等のお知らせ」で確認できます。オモテ面には総額でしか記載されていませんが、ヒョイと裏返すと、裏面に「電気料金等内訳書」が記載されています。基本料金と電力量料金およびその内訳、そして再エネ発電賦課金と云う項目が見えますね。
ネットのサービス「くらしTEPCO」で確認する
「くらしTEPCO」は月々の電力使用量や電気料金、請求内容等を確認できるサイトです。電気料金の構成要素は、こちらでも確認できます。
ぱッと見、総額と消費税の分けしか記載されていないようですが…。
赤丸の箇所をクリックすると請求金額の内訳が表示されます。
プレミアムプランS/Lにおける料金の構成
電気料金は以下の計算式で算出されています。
電気料金 = 基本料金+定額料金+1段料金+燃料費調整額+再生可能エネルギー発電促進賦課金
基本料金
基本料金は、アンペア数で決まります。我が家は50Aなので1,404円です。
我が家がプレミアムプランを契約した当初は、プレミアムプランS/L 以外に、無印の「プレミアムプラン」があったのですが、いまでは新規の申込受付は停止しているようです。我が家と同じく「これ、ぜんっぜんお得じゃないじゃん?!」と気付いた家庭からの苦情がたくさんあったのではないかと推察します。
定額料金
これはプラミアムプランS/Lならでは、400kWhまでが固定の料金になっています。料金9,700円を400kWhで割れば分かるとおり、この範囲における単位あたりの電気料金は、24.25円/kWhです。
1段料金
400kWhを超過したぶんの使用量に応じた料金になります。単価は29.04円/kWh、これに使用電力量から400kWhを引いた値を掛けて算出します。
燃料費調整額
燃料費調整額は、火力燃料(原油・液化天然ガス・石炭)の価格変動を電気料金に迅速に反映させるため、その変動に応じて、毎月自動的に電気料金を調整するための調整額です。原油・液化天然ガス・石炭の3ヵ月間の貿易統計価格にもとづき、算定されています。算定された平均燃料価格(実績)と基準燃料価格の差分が調整額となり、電力が提供される地域ごとに設定されます。
3ヵ月間の貿易統計価格から算定された調整額は、2ヵ月後の電気料金に反映されます。つまり1~3月の貿易統計価格は4月5月と2ヵ月をあけて、6月の電気料金に反映されます。この調整額がプラスであれば電気料金は高い方向に、マイナスであれば安い方向に調整されます。
再生可能エネルギー発電促進賦課金
再生可能エネルギーの買取りに要した費用が、全国一律の単価で、各家庭の電力消費量に合わせて電気料金に上乗せされています。あちこちの太陽光発電などの経費的負担は各家庭の電気料金に上乗せすることで賄われていると云うことです。
電気料金の構成要素ごとに前年と比較してみる
電気料金の構成要素が分かったところで、構成要素ごとの年間費用を算出して前年と比較してみます。
期間 | 基本料金 | 定額料金 | 1段料金 | 燃料費調整額 | 再エネ賦課金 |
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2016年10月~2017年09月 | 26,208円 | 116,400円 | 140,989円 | -38,681円 | 22,893円 |
2017年10月~2018年09月 | 16,848円 | 116,400円 | 138,347円 | -25,220円 | 26,116円 |
前年比 | 64.3% -9,360円 |
100.0% ±0円 |
98.1% -2,643円 |
65.2% +13,461円 |
114.1% +3,223円 |
「プレミアムプラン」から「プレミアムプランS」に変更したことで、基本料金は大幅に下がっています。この基本料金が高止まりする点が「プレミアムプラン」のダメなところだったので、この点は改善できています。
定額料金は変わらず。1段料金電力消費量が少ないぶんだけ安くなっています。
つまり、基本料金・定額料金・1段料金の範囲で見れば、この1年間の電気料金は、前年に比較して安かったわけです。その額約12,000円。
プレミアムプランSにしても電気料金が騰がっている理由
さきほどの表を見て分かるとおり、おおきく異なるのは、燃料調整額の項です。燃料調整額の決まり方は前述のとおりなので、要するに火力発電の資源が高くなれば、電気料金も高くなるわけです。
また、再生可能エネルギー発電促進賦課金も+14.1%とアップしています。再生可能エネルギー発電促進賦課金は、毎年3月末に発表され、その年の5月から翌年の4月までの期間の単価が確定します。
料金全体で見ると、プレミアムプランSの恩恵がまるで無いように見えましたが、構成要素ごとに見ていくことで、プレミアムプランSの恩恵は十分発揮されており、毎月・あるいは毎年変動する燃料調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金が前年よりも高い(燃料調整額はマイナス幅が小さい)ことが原因でした。
プレミアムプランを継続している家庭はいますぐに切り替えたほうが良い
プレミアムプランは新規の受付は停止していますが、契約済みの家庭への提供は継続していると思われます。
プレミアムプランは「使えば使うほど安くなる」「電気の使い方を工夫することにより、ご契約電力を抑えられる」…こんな言葉をキャッチフレーズにしていましたが、プレミアムプランを利用するほどに電力消費が多い家庭では、おそらくどの家庭でも損をする契約内容になっています。
今すぐTEPCOに電話をして、「プレミアムプランS」に切り替えることをお勧めします。
切り替えは電話1本で簡単にできました。プレミアムプランを2年契約等長期で契約している場合でも、途中で切り替え可能です。
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