【電気代】あれ?!むしろ割高?TEPCOプレミアムプランの罠

【電気代】あれ?!むしろ割高?TEPCOプレミアムプランの罠

東京電力エナジーパートナー()が電力自由化に合わせ投入した「」、電気の消費量が多い家庭が電気を使えば使うほど得をするプランと知って、「エコだエコだと騒いでいる時代に、お主も悪よのう…」てきな感想を抱きながらも迷わず申し込み、実際電気代が安くなって喜んでいた我が家なのですが…。

でも、ほんとうは、必ずしもそうではなかったようです
むしろ我が家はこれから最低1年は、通常の電気代よりも割高な料金を払うことになりそうです。

我が家と同じように、昨春に「プレミアムプラン」を契約し、寒い冬を過ごした後で「プレミアムプラン」がむしろ損をすることに気づく家庭も多いのではないかしらん。

確認した内容を整理してみました。

 
 

TEPCO「プレミアムプラン」とは?

夫婦二人暮らしにも拘らず、我が家は平均的な家庭の電気使用量の倍を消費しているらしいと云う事実を目の当たりにしたときに、節約しなくちゃと云う気持ちが湧くいっぽうで、料金プランを変更しておいて良かったと胸をなでおろしたのも事実でした。

何故なら「プレミアムプラン」は、使えば使うほど割安に電気を使用できる料金プランだからです。

プレミアムプラン(関東のご家庭向け)│はじまる!電力自由化│東京電力エナジーパートナー

従来の料金プランの料金体系

従来の料金体系である従量電灯B/Cの場合、電気料金は以下の内容で構成されます。

  • 基本料金  契約アンペアで決まる
  • 電力量料金 電力使用量による従量制
    – 120kWhまで19.52円/kWh
    – 120kWhを超えて300kWhまで26.00円/kWh
    – 300kWh超は30.02円/kWh
  • 燃料費調整額(毎月変動)、再生可能エネルギー発電促進賦課金(現在2.25円/kWh)による調整
  • 口座振替割引額 -54円(口座振替にしている場合)

プレミアムプランの料金体系

プレミアムプランの料金体系は以下のとおりです。400kWhを固定とする代わりに、三段階に値上がりする従量電灯B/Cに比較して、電力使用量による課金が少なくなります。

  • 基本料金  契約電力で決まる
  • 電力量料金(固定) 9,700円(400kWh)
  • 電力量料金(重量) 29.04円/kWh
  • 燃料費調整額(毎月変動)、再生可能エネルギー発電促進賦課金(現在2.25円/kWh)による調整

400kWhが固定となる代わりに電力の単価が安くなる

プレミアムプランは400kWhまでは固定です。

つまり月に100kWhしか使わなくても、400kWhぶんの金額である9,700円は支払わなければなりません。なので電力消費量が少ない家庭にはなにも魅力のないプランです。

但し、従量電灯Bにおける400kWhの電力量料金は、以下のとおり1万円を超えるので、400kWhぴったりだとしても、プレミアムプランの固定9,700円のほうが324.4円お得です。

 (120kWh × 19.52円)+(180kWh × 26.00円)+(100kWh × 30.02円)
=2342.40円+4680.00円+3030.02.00円
=10,024.40円

さらに、400kWhを超える従量課金についても、従量電灯B/Cが30.02円/kWhであるのに対し、プレミアムプランは29.04円/kWhなので、kWhあたり98銭お得なわけです。これが「使えば使うほどお得」と言われるゆえんです。

過去6カ月の我が家の電気代と、従量電灯Bの計算に当てはめた電気代の比較

実際に過去6カ月間の我が家の電気代(プレミアムプラン)に対して、従量電灯Bの電気代を試算して比較すると、以下の表のとおり、6カ月で836円お得になっています。プレミアムプランの場合、電気料金1,000円ごとに5ポイントのTポイントが付与されるので、実際はもう少しお得です。

電気代比較1

836円…。あれ?なんか実感している「電気代が安くなった度合」と違う気がする。もっと劇的に安くなっている印象なんだが。そして、もう1つ、1,109kWh使っている2017年1月は最大の使用量なのに差額はわずか30円と、「使えば使うほどお得になっていない」点、さらに言えば1,076kWh使っている2016年12月はプレミアムプランのほうが高いと云う計算結果が出ている点が理解できません。

これは一体、どういうことでしょうか?

基本料金が変動するプレミアムプラン

このような現象の原因は、電力量料金ではなく、基本料金にありました。

従量電灯Bの基本料金は、アンペアブレーカーのアンペア数によって決まります。我が家のアンペア数は50Aです。50Aの基本料金は1,404円になります。アンペアの契約を変えない限りは毎月固定の基本料金となります。

いっぽうで、プレミアムプランの基本料金は、TEPCOのサイトの説明では以下のように記載されています。

当月と過去11か月の30分ごとの使用電力量の最大値(ピーク電力)にもとづき、各月の契約電力を決定する契約です。電気の使い方を工夫することにより、ご契約電力を抑えることができます。

ある時間帯に継続してたくさんの電気をお使いになると、ピーク電力が更新され、その月以降1年間の基本料金が高くなる場合があります

過去1年間の使用電力量の最大値により基本料金が変わります。
基本料金が、使用電力量によって変動するのです。

その料金は、1kWあたり468円。

プレミアムプランに切り替えてからの月毎の使用電力量

月毎の最大使用電力量は、くらしTEPCOで確認することができました。

  • 2016年05月 2kW
  • 2016年06月 3kW
  • 2016年07月 3kW
  • 2016年08月 4kW
  • 2016年09月 4kW
  • 2016年10月 3kW
  • 2016年11月 4kW
  • 2016年12月 5kW
  • 2017年01月 5kW

 

季節に合わせて最大使用電力量が推移します。

プレミアムプランに切り替えた直後は夏前で少ないですが、夏場には4kWに増え、秋になりいったん落ち着くものの、寒くなってから5kWに届いてしまいました。

3kWが適用されるときの基本料金は1,404円と、従量電灯Bのときと同じですが、4kWが適用されると1,872円、5kWが適用されると2,340円になってしまいます。

その月の最大使用電力量ではなく、過去1年間の最大使用電力量で決まる

問題は、その月の最大使用電力量ではなく、過去1年間の最大使用電力量で決まると云うことです。暖房を2部屋でまわし、乾燥機をまわし、ドライヤーを使い、IHのキッチンで調理をして…、瞬間的にはねあがった使用電力量が料金に反映されて、1年間高止まりするのです。

我が家では2016年12月に最大5kWを使いました。
このため、12月の電気代が上がってしまうことは致し方ありません。
1月も最大5kW使っているので致し方ありません。

けれど、今後春に向かいその月の最大使用電力量が少なくなっても、「当月と過去11か月の30分ごとの使用電力量の最大値(ピーク電力)」によって基本料金が決まるため、5kWが適用されます。毎月2,340円の基本料金がかかってしまうわけです。

料金体系になんとなく悪意を感じるのは、「過去3カ月」とかではなくて、「当月と過去11ヵ月」と云う期間が設定されている点で、要するに季節によって電力を使う量に差がある家庭(大抵の家庭は差があると思う)は、毎月の使用量に拘らず、一年中いちばん高い季節の使用量に基づいて基本料金を払うことになるわけです。

案内文には「電気の使い方を工夫することにより、ご契約電力を抑えることができます。」とされていますが、どちらかと云うと「電気の使い方を工夫せずにたくさん使ってしまうと、その後1年間高いご契約電力に基づく基本料金を払うことになります。」と云うのが相応しい

過去6カ月の電気代を「5kW=基本料金2,340円」を適用してさかのぼると…

今後1年間適用される「5kW=基本料金2,340円」だと、従来の従量電灯の料金体系と比較してどうなるのか。確認するために、「5kW=基本料金2,340円」を適用して過去6カ月の電気代を再計算して、従量電灯Bと比較してみます。

電気代比較2

なんと!1,000円以上高くなると云う結果が出ました。
我が家は今後1年間、この割高な電気代を払うことになります。まるで懲罰!

最大の5kW適用時、「プレミアムプラン」はどれだけ電気を使うと安くなるのか

でもプレミアムプランは電気を使えば使うほどお得になるはずです。
「5kW=基本料金2,340円」が適用されている環境下では、どれだけの電気を使うとお得になるのでしょうか。

基本料金の差異は、「プレミアムプラン5kW適用 2,340円 - 従量電灯B 50A 1,404円」であり、その答えは936円プレミアムプランの割高です。

また、400kWh使用時点での電力量料金の差異は、すでに確認したとおり、324.4円プレミアムプランの割安です。

ここまでで、その差は 936円-324.4円=611.60円 プレミアムプランの割高です。
実はまだダメ押しがあり、料金の支払いを口座引き落としにすることに拠る割引、「口座振替割引」は、プレミアムプランでは適用されません。口座振替割引は毎月54円、つまりここまでで、その差は 936円 - 324.4円 + 54円 = 655.60円 プレミアムプランの割高です。

655.60円の差異がどれだけ電気を使用すれば埋まるかと云うと、400kWh以上の電力量料金の単価の差異は98銭なので、655.60円 ÷ 0.98円 = 679.18kWh 、つまり固定の400kWh + 679.18kWh = 1,079.18kWh(!)を使用しないとお得にはなりません。

これだけの電力を消費しないと、毎月の電気代は従量電灯Bのほうが安いと云うわけです。毎月3万円超の電気代を払ってはじめてお得って…ちょっとありえないです。

プレミアムプランには、無印/S/Lの種別がある

無印のプレミアムプランは、前述のとおりの料金体系になっていますが、プレミアムプランSはアンペア数により基本料金が決まり、プレミアムプランLは主開閉器(漏電遮断器など)の容量によって基本料金が決まるようです。

そしてプレミアムプランSの50Aにおける基本料金1,404円/月。
従量電灯Bと同じです。
我が家が選択すべきは「」のほうだったようです

「電気の使い方を工夫することにより、ご契約電力を抑えることができます。」と云う謳い文句を読むと、無印のプレミアムプランがいちばん融通の利いた割安プランに見えるのですが、実は月あたり400kWhを安定的に消費するような家庭にとっては、大半の家庭にとって割高プランになるのではないかと思えます。

それにしても昨年の電気代は間違いなく劇的に下がったはずなのだが…

プレミアムプランに切り替えて以降の電気代は安さを実感できていたのです。
家計簿に電気代を整理する際に、前年同月の電気代と比較して、あああきらかに安くなったね!良かったね!と言っていたのでした。

ところが、どうやらそれは、プレミアムプランに切り替えたのとは別のところに安くなった理由があったようです。

  • 2016年8月
    燃料費調整額は、-4.67円/kWh。
    再生可能エネルギー発電促進賦課金は+2.25円/kWh。
    計 – 2.42円/kWh。
  • 2015年8月
    燃料費調整額は、-0.89円/kWh。
    再生可能エネルギー発電促進賦課金は+1.58円/kWh。
    計 + 0.69円/kWh。

そもそもkWhごとの単価に3.11円もの差があったのです!

これを2016年8月の我が家の電気消費量890kWhに当てはめると、3.11円/kWh × 890kWh = 2,767.9円。電気代が安くなったのは、プレミアムプランのおかげではない、燃料費調整額の変動のおかげだったのでした。いままでプレミアムプランのお陰だと思い感謝していたので、なんだか悔しい!

プレミアムプランは2年契約してしまっているが、途中で移行可能

プレミアムプランは2年契約するとTポイント12,000ポイントをいただけるキャンペーンをやっています。我が家もしっかり12,000ポイントをいただいています。その分すでに得はしているので、あと2年間、我慢して懲罰のような契約に耐えるしかないのでしょうか?

TEPCOに電話して訊いてみようと思いつつなかなかできずに居たのですが、先日とある用事でTEPCOの方が家に来たので訊いてみたら、あっさり、契約変更できるとのこと。申込の書類も特に無し。ただし、プレミアムプランSに変更したその日からまた2年契約という縛りが始まるとのこと。特に問題ありませんので、そのまま変更いたしました。

嗚呼、悩まずにもっと早く相談すれば良かった!

同じような勘違いをして同じような口惜しさを味わう家庭が多い気がする

嗚呼、安くなったねえと思っていたらプレミアムプランのお陰ではなく、寒い冬を経て「当月と過去11か月の30分ごとの使用電力量の最大値(ピーク電力)」が高まった結果、この春以降、あれッ?プレミアムプランの電気代高くね?!と気付く家庭がたくさんあるんじゃないかと云う気がしています。

そもそもの契約内容的に、これを「お得」と言って勧めるのってどうなの?と思いますが、気付かずに契約してしまい、かつ気付かずに恩恵を享けていた私たちにも責任があります。でもその恩恵がまやかしだと気づいたら、迷わずに速攻契約内容の変更をしましょう。なかなか節電できない浪費家さんの電力契約は、東京電力の範囲で検討するなら「プレミアムプランS」がBESTです。

東京電力以外の選択肢も検討する!

プレミアムプランSは、従量電灯Bの契約よりも安くなりますが、電力自由化の波はたくさんの小売電気事業者を生み、今やプレミアムプランSとは段違いにお得なサービスもたくさんあります。プレミアムプランの罠に気付いたなら、プレミアムプランSに替えることもそうですが、いっそ電力会社をそっくり替えてみたら如何ですか?

プレミアムプランSの契約がもうじき終わりを迎える我が家は、あしたでんき に替えることを決めました。

電力会社の選び方、電力消費量が多い我が家は、あしたでんき たっぷりプランに決めた。

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