従業員から役員に。退職金にかかる税金の計算方法は?

従業員から役員に。退職金にかかる税金の計算方法は?

6月から取締役となるために5月末で従業員としての退職手続きをしました。おおよその退職金の額を教えてもらったときに、最初に気になったのは「いったい税金てどれだけかかるんだろう?」てことでした。退職金の一部を頭金にして住宅ローンを借り換えることも考えていたので、手元に入るお金がどれほどのものか知りたかったのです。

 

17年と2か月勤めて、退職金は現金と401Kぶんとを合わせてざっくり1千万円程度。中小企業なので少ないのは仕方がありません。また20年後くらいに役員退職慰労金というものを順当にもらえるよう真面目に働きます。

さて、この場合どれほどの税金がかかるのでしょうか。

 
 

退職金の課税対象額を求める計算式

退職金にかかる税金は、ふだんの給与などに較べると、はるかに優遇されています。
まず401Kのぶんは課税対象外なのではなから考慮に入れません。
現金で受け取るぶんについて、以下の数式で求めます。

(収入金額 - 退職所得控除額)× 1/2 =退職所得の金額

右辺の「退職所得の金額」が課税対象になる額です。

左辺の「収入金額」とは、いわゆる会社の規程にある退職金。課税前の額になります。
同じ左辺の「退職所得控除額」は、勤続年数によって決まります。

退職所得控除額

退職所得控除額の求め方は、勤続年数20年未満か20年以上かによって決まります。

  • 勤続年数20年未満の場合、「40万円 × 勤続年数」
  • 勤続年数20年以上の場合「800万円 + 70万円 × (勤続年数 - 20年)」

勤続年数20年超の場合の「800万円」とは「40万円 × 20年」に相当します。

つまり、20年間は毎年40万円分、それ以上の年数は毎年70万円を課税対象から控除するという数式になりますね。長く勤めれば勤めるほど優遇される仕組みです。ちなみに「勤続年数」は、端数は切り上げとなります。僕は17年2ヵ月の勤続年数だったので、18年の勤続年数が適用されました。

 40万円 × 18年 = 720万円

僕が現金でもらった退職金はおよそ900万円程度なので、退職所得の金額、つまり課税対象となる金額は、以下のようになりました。

(900万円 ー 720万円)× 1/2 = 90万円

90万円を対象に税金がかかることは分かりました。ではいったいどれだけの税金がかかるのでしょう。

退職所得の金額にかかる税金

退職所得の金額には、所得税と住民税がかかります。

退職所得にかかる所得税

退職所得にかかる所得税は以下の計算式で求めます。

 (退職所得の金額 × 税率 - 控除額)× 102.1%

税率はと控除額は、どちらも退職所得の金額により決まります。

国税庁にある速算表が分かりやすいです。

国税庁『別紙 退職所得の源泉徴収税額の速算表』

国税庁の速算表によると、僕の場合、退職所得の金額が90万円なので税率は5%、控除額は0円です。こうして見ると最低ランクの税率なんだなあ。有り難いような寂しいような。以下のような所得税額になりました。

(90万円 × 5% - 0円)× 102.1%=45,945円

退職所得の金額にかかる住民税

住民税の算出は簡単。以下のとおりです。

退職所得の金額 × 10%

つまり僕の場合は、以下のようになりました。

90万円 × 10% = 90,000円

優遇されているとはいえやはり税金は悔しい

勤続年数17年と2ヵ月で、会社の規程による退職金が900万円であった僕は、その中から以下のとおりの税金を払うことになりました。

 所得税45,945円 + 住民税90,000円= 135,945円

税金をひかれて受け取った額は以下のようになります。

9,000,000円 - 所得税&住民税135,945円 = 8,864,055円

ふだんの給与に較べれば優遇されていることは一目瞭然ですけれどもね、それでもやっぱり、税金でもっていかれてしまうのは口惜しいですね。

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