【SPYD】分配金が急減で話題のSPYD、構成80銘柄の配当推移・株価推移を把握して、継続保有に値するかを確認する。

【SPYD】分配金が急減で話題のSPYD、構成80銘柄の配当推移・株価推移を把握して、継続保有に値するかを確認する。

S&P500高配当株式ETF の2020年9月分配金が、1年前のそれと較べて41%も減ったということで、投資家のみなさんがざわざわしておりますね。

わたくし千鳥足も「毎月配当」エリアで SPYD を保有しております。

心にさざ波程度のざわざわが立ったのは事実ですが、少なくとも現時点では、SPYD を手放すことは考えていません。手放さない個人的な理由は以下4点です。

  • 新コロ禍直撃の四半期において利回り3.86%(2020年9月21日終値より)あるなら御の字。
  • 株価下落している今手放すのは悪手中の悪手。回復を待つ。
  • PFの全部がSPYDなわけじゃないので全然待てる。
  • 株価はGAFAMで歪んだS&P500と比較したってしゃーない。

消極的な理由も含んでいますがこういうことです。分配金激減の SPYD とどう向き合うかは個々の判断だと思うので、この記事では保有継続の理由をこれ以上掘り下げて・押しなべて・汎化するようなことはしません。

ただ、SPYD の今後について確認する必要は感じました。もし今後も利回りが落ちるようならば、「御の字」と言ったその前提が失われてしまうからです。

ということで、2020年9月時点で SPYD を構成する80銘柄について、直近の配当状況などを確認してみました。

 
 

2020年9月時点 SPYD 80銘柄

この記事は、SPYD を構成する80銘柄の配当・株価の推移をEXCELの一覧にまとめた上で作成しています。よろしければご活用ください。

SPYD構成80銘柄の配当・株価推移(2020年9月21日版)

一覧中の値は、主に Yahoo Finance US より収集したものです。 Yahoo Finance US の配当記録には割と頻繁に謎な異常値があり、あまりにおかしな増減率を検知した場合には、個別に別のサイトで確認して補正しています。一覧の情報に誤りがある場合にも責任は負えませんので、ご自身の責任で活用ください。

2020年9月時点 SPYD 80銘柄の配当金支払い状況

2020年9月の配当が前年9月対比で大幅減となった SPYD ですが、その SPYD を構成する80銘柄の配当金の支払い状況は如何な具合でしょうか。

SPYD を構成する80銘柄について、2020年4月~9月の配当金と、2019年4月~9月配当金の額を比較しました。正確に言うと2020年9月の配当が未だ出ていない企業については、それぞれ3月~8月の配当金を集計して比較しています。

増配・維持・減配の銘柄数

半年間ぶんの配当金を比較して、「増配」「維持」「減配」の3つに区分して銘柄数を数えました。

これは素直に驚きましたね。

新コロ禍が直撃した2020年4月~9月の配当金が前年同期間との対比で増配となっている銘柄が、80銘柄中58銘柄(72.5%)あるのです。

反対に、減配となった銘柄は80銘柄中6銘柄(7.5%)のみです。

配当増減率の分布

もう少し詳しく配当金の増減の分布を確認しましょう。増減率を-70%~+40%まで10%単位に区切り銘柄数の分布を確認しました。

-70%~-60%に1件、-50%~-40%に1件など、配当金がごっそり減っている銘柄もチラホラあります。けれど、もっとも多いのは0%~+10%未満の49銘柄であり、穏当な増配をしている銘柄が多数派であることが分かります。次いで多いのは±0%の16銘柄ですね。

配当金がごっそり減っている銘柄もありますが、この少数の銘柄たちが SPYD の今後の分配金におおきな影響を及ぼす可能性はあるでしょうか?

答えは否です。ご承知のとおり SPYD は80銘柄を1.25%ずつ均等に保有するETFだからです。

念のため減配6銘柄の構成比率を確認しておきましょう。

銘柄 ticker 構成比率 2019/4-9配当 2020/4-9配当 増減率
Ventas Inc. VTR 1.505% 1.586 1.243 -21.63%
Simon Property Group Inc. SPG 1.439% 4.150 1.300 -68.67%
Welltower Inc. WELL 1.370% 1.740 1.220 -29.89%
Amcor PLC AMCR 1.316% 0.238 0.230 -3.36%
Invesco Ltd. IVZ 1.313% 0.620 0.310 -50.00%
Vornado Realty Trust VNO 1.264% 1.320 1.190 -9.85%

いずれの銘柄も構成比率は1.25%を超えているため、2020年7月のリバランス以降の株価が他の構成銘柄と比較し相対的に上昇したようですが、MAXでも1.505%です。SPYD というETFにおいて、1つの銘柄がETFの値動きや分配金の増減に極端に強い影響を及ぼすことは無いと言って良いでしょう。

ちなみに、折角一覧を貼ったので申し添えておくと、上記6銘柄中4銘柄が不動産セクター(VTR、SPG、WELL、VNO)です。他1銘柄が金融セクター(IVZ)、もう1銘柄が素材セクター(AMCR)になっています。

2020年9月時点 SPYD 80銘柄の配当利回り

2020年9月の分配金は大幅減で分配金利回りが3%台となった SPYD ですが、SPYDを構成する80銘柄の配当利回りはどのような分布になっているのか見てみましょう。

配当利回りの分布

配当利回りは、2020年9月21日以前に支払われた配当金を年4回ないし年12回で年額に換算し、2020年9月21日の終値の株価で割って求めています。

4%未満の銘柄はわずか6銘柄、ほか74銘柄は4%以上という分布であることが分かりました。

配当利回りの最高は14%台に1銘柄です。

…。

…。

配当利回り14%台って何もんだよww 絶対配当維持できないでしょうよww

そう思われるでしょう?この銘柄、「ONEOK Inc.(ワンオーク)」(OKE)というエネルギーセクターの企業です。この企業の詳細をわたくし千鳥足は存じません。この企業がこの配当利回りを維持できるのか?については、やはり心配されている様子でした。

Should You Buy ONEOK Stock for Its 13% Dividend Yield? | The Motley Fool

Yahoo Finance US の掲示板では、この記事について、アメ公どもが不安に震えながら話し合っていました。英語での会話を Google 翻訳しています。

ちなみに OKE の2020年9月21日の終値は26.44ドルです。

ヘレン、がんばれwwww

80銘柄の配当利回りの平均値

80銘柄の配当利回りの単純平均は、5.77%になりました。

前述の OKE に限らず、配当の維持が危ぶまれる銘柄もまだあるはずなので、SPYD の今後の分配金利回りがこのとおりになるかは分かりません。ただ、新コロ禍がもっともキツかった2020年4月~9月において、前年同期間比で増配している銘柄が多数含まれていた点は、かすかな勇気を与えてくれますね。

もっとも、米国の新コロ禍は終息にはほど遠い状態が続いています。再度の経済封鎖が行われた場合には、多くの銘柄が減配ないし無配転落となる可能性があります。これは当たり前のことですね。2020年9月の SPYD の分配金が急激に減ったのは、2020年1月の高値圏終盤のリバランスで選出され、そして2020年7月のリバランス以前に新コロ禍によって減配・無配となった銘柄を多数含んでいたためです。リバランス時点の経済状況は異なるとはいえ、それと同じことはこれからもじゅうぶん起こりえます。

2020年9月時点 SPYD 80銘柄の株価推移

ここまで構成80銘柄の配当金の推移と配当利回りを見てきました。その結果は、保有し続けるかすかな勇気を与えてくれるものでした。

さて、SPYD の保有目的はインカムである…!と言いつつも、なんだかんだキャピタルだって気になりますね。SPYD を構成する80銘柄の株価騰落率の分布を見てみましょう。2020年9月21日終値より、2019年12月末の株価に対する騰落率を求めています。

これはwww ひっどいですねwww

前年末の株価を超えることができているのはたった6銘柄です。半数以上の銘柄が-70%~-30%の範囲に留まっています。そりゃあ、コロナショック前からのSPYDホルダーが含み損まみれになるというものです。

S&P500指数はすでに前年末の値を超えてモミモミされているところです。

SPYD を構成する80銘柄の騰落率の分布は、同じS&P500を構成する子たちとは信じられない弱さではありませんか?!

でも、これが現実です。

S&P500はGAFAMの5銘柄におおきく歪められています。

S&P495で分かる ブーム化する「米国株投資」に隠れた”歪み”

GAFAM を除いたS&P495で見ると、コロナショック以降、米国株はようやく前年末の株価まで戻ってきた程度なのです。

次のグラフ画像は上の記事から引用しています。

弱いS&P495、そしてその中でも一段と株価回復が出遅れている(≒配当利回りが高い)銘柄を集めた SPYD の株価推移がふるわないのは、致し方ないというものです。そういうETFなのですね。

出遅れた銘柄の株価は、新コロ禍の終息、経済の回復とともに見直されてゆくでしょう。そのとき、瞬間風速的にはコロナショック後の早期の回復を果たした銘柄群を凌駕するパフォーマンスを示す場面もあるかも知れません。ただそれはいつになることやら…?見直しまでの時間に耐えられるか耐えられないかは、個々の投資家の方針や環境によりますね。

SPYD は継続保有に値するETFなのか

SPYD は継続保有に値するETFなのか?…これはもう、投資家のみなさんの個々の自己責任で判断するより他ありません。

今後の新コロ禍の終息と経済の回復をどう見込むか、インカムとキャピタルいずれを強く望むか、という点が判断材料となりそうです。

わたくし千鳥足は、新コロ禍の終息と経済回復には長期を要すると予測しつつも、現在の3%台の分配金利回りは底のレベルだと予測しました。分配金と株価の回復が長期間かかったとしても待つことができる個人的な環境のもと、継続保有に値するETFだと判断しました。

予測が当たるか否か、それは分かりません。(^ω^)

仮に SPYD に今後も強烈な分配金の目減りが発生しても、それは SPYD がいけないのではありません。わたくし千鳥足の予測が間違っていたというだけのことです。最終判断は自己責任でする、それが投資の大前提ですね。

毎月配当の方針カテゴリの最新記事