【確定申告】38万円の壁なんて無い。配偶者の配当収入は確定申告したほうがお得。

【確定申告】38万円の壁なんて無い。配偶者の配当収入は確定申告したほうがお得。

もう今年の確定申告は終わったものと高を括っていたのですが、どうも大ボケをかましていたみたい。

嫁の確定申告を漏らしていたので、早急に確定申告しました。今日。今日ID・パスワードをもらいに税務署に行って、今夜e-tax完了。楽ちんウェーイ。

 
 

専業主婦/主夫の配当所得も確定申告したほうが良い場合

専業主婦/主夫である配偶者の配当所得を確定申告すべきか否かの判断基準は、言葉で表すのはとても簡単です。

①「配偶者の配当収入を申告せずに給与所得者が得られる配偶者控除/配偶者特別控除により控除される税額」

②「配偶者の配当収入を申告しても給与所得者が得られる配偶者控除/配偶者特別控除により控除される税額」

③「配偶者が確定申告することによって配偶者に還付される税額」

としたとき、「① < (② + ③)」の関係が成り立つのであれば、揃って確定申告したほうが良いのです。

配偶者控除がそもそも適用されないならば配偶者も確定申告すべし

配偶者控除に関する制度は、2018年から大きく変わりました。特筆すべき変更は、「納税者本人の所得によって配偶者控除の額が変わる」点です。

所得が900万円以上になると配偶者控除が漸減していき、所得が1000万円を超えると配偶者控除がゼロになります。

配偶者控除38万円がゼロになると云うことは、総合課税の税率を20%としたときに、76,000円の節税枠がゼロになってしまうと云うことです。

さきほどの数式「① < (② + ③)」がつまり「0 < (② + ③)」となりますから、②「配偶者の配当収入を申告しても得られる配偶者控除/配偶者特別控除により控除される税額」もしくは③「配偶者が確定申告することによって還付される税額」が1円でもあるなら、配偶者も確定申告したほうがお得と云うことになります。

配偶者控除・配偶者特別控除の控除額の決まり方

配偶者控除(配偶者の所得が38万円以下の場合の控除)、あるいは配偶者特別控除(同38万円を超える場合の控除)の控除額は、控除を受ける納税者本人の所得金額と、配偶者の所得金額とによって下表により求められます。

配偶者控除/配偶者特別控除額 控除を受ける納税者本人の合計所得金額
900万円以下 900万円超
950万円以下
950万円超
1,000万円以下









38万円以下 (ア)38万円 (イ)26万円 (エ)13万円
38万円超、85万円以下 38万円 26万円 13万円
85万円超、90万円以下 36万円 (ウ)24万円 12万円
90万円超、95万円以下 31万円 21万円 11万円
95万円超、100万円以下 26万円 18万円 9万円
100万円超、105万円以下 21万円 14万円 7万円
105万円超、110万円以下 16万円 11万円 6万円
110万円超、115万円以下 11万円 8万円 4万円
115万円超、120万円以下 6万円 4万円 2万円
120万円超、123万円以下 3万円 2万円 (オ)1万円

この表に収まらない額の所得を納税者、あるいは配偶者が得ている場合、配偶者控除、配偶者特別控除は0円となります。つまり、納税者の所得が1000万円を超えるか、配偶者の所得が123万円を超える場合ですね。

配偶者が配当収入を申告することで得する実例

上の表を使って、いくつかの例をもとに、縦横の条件がクロスする枠を見てみましょう。

納税者本人の所得が850万円、配偶者の配当所得が10万円の場合

表中の(ア)に該当する場合です。

配偶者が確定申告しない場合

配偶者の配当所得を確定申告せず、申告不要制度で片づける場合どうなるでしょう。

給与所得がある側のみが確定申告をします。確定申告によって配偶者控除38万円が付きます。38万円に対する総合課税の税率が20%だとした場合、76,000円の節税効果があります。

配偶者が確定申告する場合

配偶者が確定申告をするとどうなるでしょう。

まず、給与所得がある側の確定申告です。配偶者の配当所得が10万円なので、配偶者控除38万円がそのまま付きます。38万円に対する総合課税の税率が20%だとした場合、76,000円の節税効果があります。ここまでは確定申告しない場合と一緒です。

次に、配偶者の側の確定申告です。10万円の配当に対して源泉徴収されている所得税は、15,315円(10万円×15.315%)でした。しかしながら、確定申告をすると、配当所得10万円に対し基礎控除38万円が所得控除されます。この時点で全額所得控除なので、税金はゼロ。源泉徴収されていた15,315円が全額還付されます。

つまり、配偶者が確定申告することで得た15,315円がお得になりますね。

納税者本人の所得が920万円、配偶者の配当所得が90万円の場合

配偶者が確定申告しない場合

配偶者の配当所得を確定申告せず申告不要制度で片づける場合、配偶者の収入はゼロと見做すため、表中の(イ)に当てはまります。配偶者控除26万円が付き、26万円に対する総合課税の税率が20%だとした場合、52,000円の節税効果があります。

配偶者が確定申告する場合

配偶者が確定申告をするとどうなるでしょう。

まず、給与所得がある側の確定申告です。配偶者の配当所得が90万円なので、表中の(ウ)に該当します。配偶者特別控除24万円が付きます。24万円に対する総合課税の税率が20%だとした場合、48,000円の節税効果があります。38万円を超えてもゆるやかに控除がある、良い制度ですね。

さらに、配偶者の側の確定申告です。90万円の配当に対して源泉徴収されている所得税は、137,835円(90万円×15.315%)でした。しかしながら、確定申告をすると、まず配当所得90万円に対し基礎控除38万円が所得控除されます。所得90万円の方の総合課税の所得税率は5%なので、税額は(90万-38万)×5%=26,000円です。源泉徴収されていた額から137,835-26,000=111,835円が還付されることになります。さらに、配当収入の中に配当控除の対象となる額が含まれているのであれば、さらに還付額が膨らみます。

48,000円+111,835円、節税効果は159,835円ですよ。つまり、この場合も配偶者も確定申告したほうが断然お得です。

納税者本人の所得が1000万円、配偶者の配当所得が123万円の場合

配偶者が確定申告しない場合

配偶者の配当所得を確定申告せずに申告不要制度で片づける場合、配偶者の収入はゼロと見做すため、表中の(エ)に当てはまります。配偶者控除13万円が付きます。13万円に対する総合課税の税率が20%だとした場合、26,000円の節税効果があります。

配偶者が確定申告する場合

配偶者が確定申告をするとどうなるでしょう。

まず、給与所得がある側の確定申告です。配偶者の配当所得が123万円なので、表中の(オ)に該当します。配偶者特別控除1万円が付きます。1万円に対する総合課税の税率が20%だとした場合、2,000円の節税効果があります。

さらに、配偶者の側の確定申告。123万円の配当に対して源泉徴収されている所得税は、188,374円(123万円×15.315%)でした。しかしながら、確定申告をすると、まず配当所得123万円に対し基礎控除38万円が所得控除されます。所得123万円の方の総合課税の所得税率は5%なので、税額は(123万-38万)×5%=42,500円です。源泉徴収されていた額から188,374-42,500=145,874円が還付されることになります。さらに、配当収入の中に配当控除の対象となる額が含まれているのであれば、さらに還付額が膨らみます。

2,000円+145,874円、節税効果は147,874円ですよ。つまり、この場合も配偶者も確定申告したほうが断然お得です。

配偶者が確定申告すると損する場合

こうやって見てくると、税金の処理に関して言えば、配偶者が配当収入を確定申告して損する場合は無さそうです。

デメリットが生じる可能性があるのは、税金の処理ではなく健康保険の扱いです。

配偶者が扶養に入らない場合/入っていない場合には、国民健康保険に加入することになります。国民健康保険の保険料は、確定申告あるいは住民税の申告を通じて申告する所得によって決まるため、配偶者が確定申告をすることによって国民健康保険の保険料がアップする可能性があります。

給与所得がある側の健康保険上の扶養に入っている場合には、特に変化はありません。配偶者を被扶養者と見做す条件は健康保険組合が個別に定めています。扶養から外れない限りデメリットは生じません。扶養から外れる年収の基準は130万以上(60歳以上は180万以上)で、かつ株式譲渡益や配当等の一時収入はカウントしないと云う明記がある組合もあります。カウントするにしろしないにろ、まあなかなか届かない水準ですよね。

つまり、ほとんどの場合、配当収入がある配偶者は、給与所得がある側とは別に確定申告をしたほうがお得!と云うことです。

 

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