新社会人に贈る「企業型確定拠出年金(401K)」でやってはいけないこと

新社会人に贈る「企業型確定拠出年金(401K)」でやってはいけないこと

4月から社会人・新入社員となり、「初めてのお給料」を受け取る方が今年もたくさん居ます。

わたくし千鳥足が勤める企業も4月1日に入社式が予定されていて、初々しい若者たちを前に簡単な挨拶をすることになっています。入社式ではなかなか話せませんが、新入社員のみなさんに本当に伝えたいことの一つは「(401K)の使い方」。これ重要なので憶えておいてください。

 
 

企業型確定拠出年金(401K)?なにそれ美味しいの?はダメ!

企業型確定拠出年金(401K)、ルール上は企業が社員に対し制度の説明・投資の教育をする義務があります。なので新入社員のみなさんにも、1度は説明会が開かれているはずです。

でも、確定拠出年金?元本保証無し?ファンド?株式?債券?リスクとリターン?説明されても何を言ってるのかチンプンカンプン、聞いた内容は左耳から右耳へ抜けて残らない、そういう方がきっとたくさん居ると思います。

僕もそうでした。

日本の教育は金融や資産形成について教えてくれません。同じように無知・無関心の社会人が毎年量産されているのです。無知・無関心のまま量産された社会人はそのまま年を重ねて、そしていずれ気付くのです。

「うっげ俺なんでこんな運用してきちゃったの…!?」

そうならないために、憶えておきましょう。

企業型確定拠出年金のファンド選びでやってはいけないこと

説明会では色々なファンドがあること、それぞれの特徴などについて話があったと思います。でも短時間の説明だけで理解できるわけはありません。説明する側もそれを分かっているから、念入りに心に刻むように説明する気もありません。

説明会には企業型確定拠出年金の運営機関のスタッフが来てくれて、彼らが話してくれますが、彼らにとっては年金資産の運用でみなさんが儲かるか損をするかなんて、基本的にはどうでも良いことなのです。彼らはみなさんの損得がどうなろうが、手数料だけで儲かる仕組みになっています。情報弱者を手玉に取る悪玉…そんなふうに仮想敵扱いするくらいが丁度良いです。

色々なファンドから選択して、どのファンドに掛け金の内どれだけの割合を積み立てるかを記載していついつまでに提出しなさい、そんな風に指示があると思います。短時間の説明を受けただけの稚魚を荒海に放つようなものですが、それでも僕たちは選ばなければいけません。

ファンド選びでやってはいけないことは2点です。

  • リスク高?何それ怖い!⇒無リスクのファンドばかりを選んではいけない。
  • ファンドの内容を理解せずに選んではいけない。

無リスクのファンドばかりを選んではいけない

説明会ではこんな説明があっただろうと思います。

 

債券も株式も元本保証ではないです。債券よりも株式はリスクが高いです。
国内株式よりも海外株式のほうがリスクが高いです。

ウヒャー!リスクが高いなんて怖!

そう思って海外よりも国内、株式よりも債券、何よりも元本保証のある定期預金な商品を選んでしまう方がいます。これはいけません。

元本保証のファンドを選択しても手数料は淡々と取られる

日本は低金利が続いています。元本保証の定期預金を選んだところでおかねは全く増えません。

増えなくてもいいの。減らなければ。

そう言うかも知れませんが、運営機関には毎月々々手数料を取られることを忘れてはいけません。毎月定期預金してわずかながらも利息をもらうつもりが、実は利息以上の手数料を取られていて完全に手数料負けしてしまう、そんな風になってはいけません。せめて、手数料以上に増えないことには、制度に負けてしまいます。

新入社員のみなさんはまだ若いのです。取ったリスクのぶんはリターンがあると信じて良いです。

期待リターンが高いファンドは総じてリスクも高いですが、長い社会人生活がそのリスクは吸収してくれるはずです。豊かな年金生活を送りたいと思うなら、積極的にリスクの高い商品を選んでいきましょう。

全部リスクを取るのは怖いから半分は元本保証にしておこうは間違い

それぞれリスクがあるのでバランスを取ってファンドを決めてくださいね、と説明を受けて、掛け金の全部を株式につっこむのは怖いから、元本保証と株式で50%:50%で行こう。そう思う方も多いと思います。

バランスが大事、その点は間違っていないのですが、企業型確定拠出年金(401K)の中だけでバランスを取ろうとするのは間違っています。

何故ならわたしたちは企業型確定拠出年金(401K)の外側でも貯蓄をすることができます。元本保証の財形貯蓄・定期預金、そういうものは企業型確定拠出年金(401K)の外側で行ったほうが良いです。わたしたちは、わたしたちの全資産でリスクとリターンのバランスを取るべきです。

税制としての優遇もあるので、企業型確定拠出年金(401K)の内側では元本保証の商品は選択しない。という解が正しいと思います。

ファンドの内容を理解せずに選んではいけない

さて、元本保証の商品を避けて、リスクの高低があるらしい様々なファンドから投資対象を選ぶことになります。

このときに重要なのは、ファンドの内容を理解せずに雰囲気で選んではいけないと云うことです。

せめて、投資対象は何なのか。手数料は幾らなのか。過去のリターンはどれほどなのか。この程度は確認しましょう。

基本は世界分散

資産運用の基本は「世界分散」です。

海外株式よりも国内株式のほうがリスクが低いと云う説明を曲解して、掛け金の全額を国内株式のファンドに充てる方がいます。これはダメです。

日本経済の先行きは必ずしも明るい見通しばかりではありません。少子・超高齢化社会が待っています。これに対し、世界の人口は増え続けていて、世界経済は停滞せずどんどん伸びているのです。世界経済に占める日本の経済規模の割合は6%程度です。

そんな中で、国内の株式に集中投資する意味はありません。世界に分散しましょう。

基本は株式

債券か株式かで悩む方も居るでしょう。

社会人になったばかりのみなさんにお薦めなのは、株式のほうです。若さと云う利点を活かせるのは株式のほうです。

説明会ではバランスが大事と云う説明を受けたかも知れませんが、株式100%で臨むのが基本です。

信託報酬と云う手数料に着目

ファンドにはそれぞれ毎年の手数料率が決められています。信託報酬率と言います。

昨今、手数料がめちゃ高いファンドは徐々に淘汰されつつありますが、競争が乏しい企業型確定拠出年金(401K)の世界には、まだまだ手数料がべらぼうに高いファンドが数多く存在します。

手数料(信託報酬率)が1.00%以上のファンドなど選んではいけません。

手間暇かけて運営している感をアピールするファンドもありますが、そんなことありません。おおかたのアクティブ・ファンド(手間暇かけてます系)は、インデックス・ファンド(市場動向におまかせ系)にリターンが劣っています。にも拘わらず手数料は高い場合が多いです。

手数料は投資対象により少しずつ違います。業界最安水準のファンドである三菱UFJの「eMAXIS slim」シリーズの信託報酬率は、以下のとおりです。

  • 全世界株式 0.15336%
  • 先進国(除く日本)株式 0.11772%
  • 米国株式 0.1728%
  • 日本株式 0.1674%
  • 新興国株式 0.20412%

選ぼうとしているファンドの手数料を上記の水準に照らしてどれほど離れているかを確認しましょう。

企業型確定拠出年金の運用でやってはいけないこと

ファンドを選び企業型確定拠出年金の運用が始まります。

おそらく説明会では「毎日のこまかい値動きに神経質になってはいけない」と云う説明を受けているはずです。

これは間違ってはいないのですが、それ以前に「まったく気にしない」ことのほうが問題です。

初めのうちはむしろ気にし過ぎたほうが良いと思います。ファンドの毎日の値動きを知るには、Yahoo!ファイナンスのサイトやアプリが便利です。週に1回くらいは覗いて見ては如何でしょうか。

Yahoo!ファイナンス – 株価やニュース、企業情報などを配信する投資・マネーの総合サイト

週に1回くらいでも見ていると、騰がって喜ぶ日もあれば下がって青褪める日もあることが分かります。それを繰り返すうちに段々にリスク耐性が身に付いてきます。だんだんに慣れてきたら、見る回数を月に1回、四半期に1回と減らしていくのはアリだと思います。 ただし「まったく気にしない」のはやめておきましょう。

投資信託の値動きから世界経済の動向を知ろう

ファンドの毎日の値動きを見ていると、おおきく動く日には世界経済で何かしらニュースが流れていることに気付くはずです。

そうやって世界経済の動向や仕組みに興味を持ち、理解を深めることも、企業型確定拠出年金の運用を通じて学べることのひとつです。

興味を持って理解を深め、いずれは企業型確定拠出年金以外でも、投資に興味を持てるようになると、一社会人としても一素晴らしいと思います。

世界経済への理解を深め、若さと時間を味方につけて年金資産を貯めて・増やしていく、ぜひ素晴らしい資産運用の日々を送ってください。

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