今日は休みを取って年金事務所に出向き、姉さん女房である嫁さんの年金の繰上げ請求を申請してきました。
うちの嫁ちゃんは僕の中学生時代の担任で、松嶋菜々子似です。#嘘か本当かわからないことを呟いてフォロワーさんを惑わす
— 千鳥足@投資初心者 (@chidoriashi_sh) December 5, 2019
細かいことは抜きにして、Let’s go!!
繰上げ受給を選んだ理由
嫁さんの年金について、繰上げ受給を選択しました。
知ってのとおり、繰上げ受給を選択すると、繰上した期間のぶん受給額が割り引かれます。
ちなみにね、最初に年金事務所に相談に行ったときは、お爺ちゃん社会保険労務士に開口一番「あのね、女性は繰上しないほうがイイヨ!」て言われましたよ。平均寿命が長いので丸々受け取ったほうがお得であるというアドバイスのようです。
一般にはそうかも知らんけど、我が家は繰上げ受給を選択しました。
そうした理由はおおきく2点あります。
理由1. 受給する年金の使いみち
主な理由は、その使いみちです。
いまいまおかねに困っているわけでは無いのと同様、将来も(僕が働いている限りにおいて)おかねに困ることは無いでしょう。そして僕が労働をやめて年金を受け取るようになる頃には、老後資金はある程度はできあがっていることでしょう。
つまり、嫁さんが受給する年金は、いずれの場面においても生活上の余裕資金にできると思うので、繰上げ受給による減額は痛いレベルのものではありません。いっぽうで、余裕資金として受給を受けるなら、夫婦揃って元気なうちに、あちこち旅して楽しむ資金に使えたほうが有効活用できそうです。2人で話してそう決めました。
理由2. 健康保険で被扶養の位置付けをキープ
もうひとつは、健康保険の被扶養の扱いについてです。
若い時分は病気は「不測の事態」と言えましょうが、歳を重ねればもはや「不測の事態」ではありません。健康を害し医療のお世話になるとき、その最強のツールは「健康保険」です。
年金を受給するようになっても、嫁さんには僕が加入する健康保険で、僕の被扶養者であることが一番望ましいし、ざっくばらんに言って「お得である」と思いました。
僕が加入する健康保険において、被扶養者の条件は「年収が130万円未満(60歳以上の方または障害者は年収180万円未満)で、かつ被保険者の年収の2分の1未満であること」です。
繰上げ受給せずに5年後に満額を受給すると、実は「年収180万円未満」という条件を満たさなくなってしまいます。繰上げ受給をして、かつ個人年金を細く長く受給する設定すると、ちょうど「年収180万円未満」という条件の枠に収まります。これが決め手となりました。
年金事務所、そこは紙とハンコが蔓延る昭和の巣窟
いま一所懸命「資産運用」されてる方って、親御さんの付き添いか親御さんを亡くしたときの手続きでもなければ、きっと年金事務所を訪れたことなんてありませんよね。僕は初めての訪問でした。
行ってみるとそこは、まるで昭和感満載の空間でした。
たまたまいま、再放送でやっていた昔のドラマ「リッチマン、プアウーマン」を録画したやつを消化しているのですが、このドラマで小栗旬が構築を提案しているアレね、あのシステムは一体どうなってしまったのかしらん。
お爺ちゃん社会保険労務士がバイトしている
年金事務所には、説明を聞きに一回、申請手続きをしに一回、訪れました。
最初に説明を聞きにいったときに当たった係の方が、話のわからないお爺ちゃんで、こちらの知識が至らぬことも相俟って、どうにも理解が捗らずに弱りました。
訊けばお爺ちゃんは社会保険労務士で小遣い稼ぎのアルバイトにきているようなんですね。
いや、いま大事な話してるんだから「たぶん」とかやめて?(´;ω;`)ウッ…
ちなみに今日担当していただいた係の方(事務所の正規の職員?)は、話がすこぶる分かりやすく、疑問点にもきちんと回答を言い切ってくれるのでさすがの安定感でした。
システムで把握してるはずの内容を手書きで申請させる
年金事務所に行ったことの無い方は、当然年金請求の申請書を作ったことだってありませんよね。
これね、結構な枚数の申請書があって、ALL手書きで書かされます。
年金記録も配偶者の年収も、基本的にはシステムで抑えているはずなのに、何故に手書きの申請書が必要となる…?
で、申請書を提出するじゃないですか。すると係の人がシステムを叩いて古めかしい帳票を出力します。
そして、申請書と帳票を比較した結果、「ここはこうですよね?これが正しければ署名してもらえますか」と来る。例えば共済年金から国民年金に切り替わった日付が1日ずれているので、システムのほうが正しいことを確認したら申請書の訂正に署名するという手続きです。
だったら初めからシステムの帳票を渡してくれれば良いのに!それを承認する手続きにすれば、申請書づくりにあんなに手間暇かけずに済むはずなのに…!
大量の紙とハンコ
申請手続きの間、係の人が鬼のように帳票を出力して申請書と見比べ、一枚々々に鬼のようにハンコを押してゆきます。
押印の回数は申請書一枚につき一回なんてものではありません。一枚に四回も五回もダンダンダンッてハンコ捺すんですよ。ちょっとなんなんですかこの昭和パラレルワールド、ひょっとして新横浜のラーメン博物館の昭和の風景のセットの一部ですか?て思いました。
申請してから受給開始まで4ヵ月かかる
繰上受給を申請したらもう来月からでも支給が開始されるのかと思っていましたが、時間がかかるようです。
特に共済年金と基礎年金はそれぞれ運用が分離されているため、申請手続きの窓口は年金事務所に一元化されているものの、手続きには相互の連絡のやりとりなどもあり、最低でも4ヵ月はかかると説明されました。8月の最初の平日に申請をして、8月・9月・10月・11月と過ぎ、最初の受給が ”早くて” 12月になるということです。ナニコレすげえ。昭和越えて大正ですかね?
どうしてこんなスピードが許されてしまっているのか、仕事柄めちゃくちゃ興味あるのですが、今日のところは「そんなに掛かるんですねえ」「そうなんです。すみません…」という会話だけで終わってきました。窓口の係の人もこの非効率のおかしさは感じている模様。
受給額の総額は分からないまま
申請手続きをしたのですから、「いつから・これだけの額が支給されます」という書類がビシッと出てくるものだと思っていたのですが、共済年金と基礎年金はシステムも別なので、年金事務所で分かるのは基礎年金の額のみとのこと。
ねんきん定期便にはおおよその額が記載されているので目星はついているものの、確定した額を知り、前述した「健康保険に被扶養の位置付けをキープ」できているのか否かをきちんと確認したかったのですが、それはもう少し先のことになりそうです。
行政の情報インフラの高度化を望む
新型コロナにより行政の働きが急きょ必要となったとき、国と地方の連携の拙さが露見し、教訓となりました。政府は国と地方の行政システムの統一を「1年で集中整備する」と宣言しています。
これはね、本気でやって欲しい。
国と地方の統一化だけに留まらず、中央省庁の縦割りも廃してゴリゴリ効率化して欲しい。本気でやらないと、こりゃ後進国になるなァ…と、ダンダンダンッとハンコを捺す係の方の熟練の手つきを見て思ったのでした。
以上、年金の繰上受給の申請に関する現場レポートでした!
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