「毎月分配型健全高配当自作ポートフォリオ」と云う長い名前は、わたくし千鳥足がタコ足配当を出す不健全な毎月分配型投信に対向する気持ちで名付けたポートフォリオの名前です。我が家のリスク資産の内、インカム目的の領域のポートフォリオを指します。
2017年の秋からポートフォリオ作りに着手し始め、2019年の春に予定どおりの資金を注入し終えていったんの完成を見ましたが、この夏若干の組み換えに取り組みました。そして予定していた組み換えが終えましたのでご報告します。
なお、最新の「毎月分配型健全高配当自作ポートフォリオ」の状況は以下の記事をご参照ください。
毎月の配当収入で旅行に行こう!「毎月配当」エリアの役割と「毎月分配型健全高配当ポートフォリオ」
2019年夏の「毎月分配型健全高配当自作ポートフォリオ」銘柄組替
主には、構成比率が大きくなったJREITを米国株・国内株に振り分け、全体の構成配分を再調整することを目的としました。
JREITの構成比率が膨らんだ理由
JREITの構成比率が大きくなっていた理由は以下2点です。
- 当初、組み込みやすい資産クラスだった。
- 2017年末からのJREITの高騰
当初、JREITは組み込み易い資産クラスだった
当初「毎月の配当金・分配金収入を平準化」したいと云う思いが強くありました。毎月一定のインカムがあったら何て素敵だろうと。そして決算月に比較的ばらつきがあり、かつ当時一様に分配金利回りが高かったJREITは組み入れ易い資産クラスでした。
今でも平準化をまったく意識しないわけではありません。でも年単位・半期単位で捉えれば平準化することで得られる満足は実質の利益にまったく関与しません。むしろ決算月のばらつきと高利回りを意識しすぎた結果、あまり好ましくないJREIT個別銘柄も組み込んでしまったのは反省点です。JREIT個別銘柄の選定を決算付きと云う枷を嵌めた状態で判断していたのですから、そうなりますね。
2018年初頭からのJREITの高騰
JREITの高騰も構成比率の押し上げに影響しています。下のチャートは2019年9月を終点とする過去3年間の東証リート指数の推移です。
ポートフォリオ作りに着手し始めた2017年の晩秋、JREITの相場には危機感が走っていました。東証リート指数はグングン下落しつづけました。過去の記事でこんなふうに記載しています。僕が。
ただ、この事象には、2017年後半のJREITの異常な下げが関わっています。毎月分配型の投資信託に対する警鐘が大きくなり、毎月分配型投資信託の花形であったJREIT関連のファンドからたくさん資金が流出したと言われていました。大変良好な地合いが継続したと言われる2017年、JREITは東証リート指数は1600割れが危ぶまれ、地銀が手持ちのJREITを損切りして嵐が訪れるのではないかと危惧されていました。2018年が強く見えるのは、その反動と言って良いでしょう。
まさにそのときJREITは底を打ち、華麗に上昇トレンドに入りました。東証リート指数の2100越えは12年ぶりの快挙であります。
JREITの市況は、例えばオフィスの空室率は2017年晩秋の当時も低空飛行でしたし、賃料も下がっていたわけではありませんでした。先々に不安な見通しがあったわけでもありません。それでも東証リート指数は底を打ち、華麗なトレンド転換をしてここまで騰がってくるのですから、株価と云うものは単純に業績や業績見通しだけでは予測できない、市場の集団心理のようなものが時折強烈に働きますね。
JREITは高値であり高配当株は安値である
こうしてJREITは高値を追っています。いったんの節目と見られていた2080を超えて2100も超えてきました。NAV倍率はすでに過去平均に近接していて、ここから先は過熱した水準だと判断しました。つまりここからさらに大きく騰がる可能性は充分ありますが、それはジェットコースターの世界になりえます。
いっぽうで国内の高配当株は酷く売り込まれてきました。悲観する声や、悲観に対する煽り、打診買いして即撤退する人たち…などを見ていると、そろそろ底かしら?と云う何ら根拠の無い思いがしまして、JREIT個別銘柄を国内高配当株式個別銘柄に組み替える処理を進めました。
JREITから国内高配当株式へ – 具体的な組替内容
そもそもなぜ国内高配当株式購入用に新たに資金注入するのではなくJREITとの組替なのかと云うと、「毎月分配型健全高配当自作ポートフォリオ」においては追加資金の注入はこれ以上はしないと決めているからです。今ある資金はすでに「アクティブ」エリア等に割り振り済みですし、毎月の収入から資産運用に回すのは「つみたて」エリアと決めているからです。元手を増やすことなくいかに効率よく配当金・分配金を得るかが「毎月配当」エリアでの工夫のしどころになります。
我が家の資産運用方針。資産運用の方針は、4つのエリアに分けて考える。
手放したJREIT個別銘柄
手放すJREITは主に直近で決算を過ぎ、かつ分配金利回りが3%台だったり4%そこそこのものを選択しました。
- [3249]産業ファンド投資法人
- [3281]GLP投資法人
- [3481]三菱地所物流リート投資法人
- [8960]ユナイテッドアーバン投資法人
[3249]産業ファンド投資法人 は7月決算、ほか2つのJREITは8月決算です。直近で高値をズンズン追っていた [3481]三菱地所物流リート投資法人 はやや強めに下落していますが、他2銘柄はJREIT全体が過熱中と云うこともあり権利落ち日後にもおおきな下落は無いまま売却できました。
ほかにも [1555]上場インデックス豪州リートETF, も売却して高配当株式の購入資金に充てています。
購入した国内高配当株式
JREITを手放して得た資金を元手に以下4つの高配当株式を購入しました。
- [8001]伊藤忠商事 (500株)
- [8591]オリックス(300株)
- [4188]三菱ケミカルHD(800株)
- [4182]三菱ガス化学(400株)
ちょうど米国株式市場のリスクオン転換もあって、短期間で3.5%~7.0%の含み益が乗っています。
ポートフォリオの利回り、配当金・分配金収入の見通しは上昇
ポートフォリオの利回りは0.04%上昇しました。
そして年間の配当金・分配金収入の見通しは+2.4万円アップしました。
あれ?危ない橋を渡って組み替えを行い、リスク高めの株式に乗り換えた割にはアップ幅が少ないかしら…?
いえいえ!
配当金・分配金の2周目もGET
7月(&1月)8月(&2月)に決算を終えた銘柄を手放し、たまたま?ではありますが3月末決算の株式に組み替えています。今年に限って言えば、同じ資金を元手にして配当金・分配金の2周目をGETすることができます。
購入した4銘柄は9月末の中間決算で配当金が出ます。JREITで分配金を得たのと同じ資金を使って得た株式から、さらに2周目の配当金が受け取れるわけです。その額は年内で64,450円を想定しています。「今年の年収アップ額」と思えば充分な成果ではありませんか?(^ω^)
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