この記事では、1977年創業の国内最大手のレーザ用光学関連部品メーカーであり、研究開発・学術の分野にも強く 世界最大の地下ニュートリノ観測装置「スーパーカミオカンデ」のような巨大プロジェクトにも自社の得意分野で参画し、「量子コンピューター」「重力波」等ノーベル物理学賞の噂が囁かれるたびに話題にのぼる、そして日本の著名投資家である故・竹田和平氏が愛した銘柄でもある [7713]シグマ光機 の事業内容・業績・株価・配当金の推移をご紹介します。
シグマ光機の事業内容
シグマ光機は1977年の創業以来、レーザ用光学要素部品をはじめ、レーザ用ユニット製品・システム製品の設計・開発、製造、販売に取り組んでいる企業です。
大学・官公庁の研究開発分野での基礎研究段階から、民間企業の研究開発部門での製品開発段階、製造部門での製品実機への組込み用途まで、レーザ光に関わる全ての研究者・技術者の方々に新しい価値とソリューションを提供しています。
意外と身の回りにあるレーザ光技術
レーザ光技術と云うと少し縁遠い存在の企業に思えるかも知れません。でもレーザ光は意外と身近な分野で幅広く活用されています。
- CD・DVD・ブルーレイディスクなど、レーザ光を使った情報の書き込み/読み取り
- 電気信号をレーザ光の明滅に変換して伝達させる光ファイバを使った情報通信サービス
- レーザ光を集光させた高密度エネルギーを利用する医療・美容レーザ
- 産業分野における製造現場での加工や検査・測定
- 土木工事の測量
シグマ光機が作るのは、これらの実用製品を産み出すための製品です。
レーザ用光学要素部品とは
シグマ光機が作るレーザ用光学要素部品は、実用製品を作るための研究や実験に利用されたり、製品を製造する生産設備・検査設備などに組み込まれていたりします。
同社の得意先は様々です。大学の研究室や国等の研究機関、民間では半導体やFPD(フラットパネルディスプレイ)・通信・バイオ・ナノテクノロジー・航空・宇宙関連分野などに展開する精密機器・電機業界の企業などと取引をしています。
レーザ用ユニット製品・システム製品
シグマ光機はレーザ用光学要素部品に限らず、レーザ光技術を応用するためのソフト等システム製品や、その構成要素であるユニット製品を提供します。「光学加工」「機械加工」「システム化」という3つの技術をワンストップで提供できるという他社には真似できない生産体制を活かして事業展開し、国内トップブランドの地位を確立しています。
また、中国上海に早くから機器の量産・低価格化に向けた生産・販売拠点を置き、米国・欧州・東南アジアにも販売拠点を持って、グローバルな展開を推し進めています。
シグマ光機に関するコメント
わたくし千鳥足は、投資を始めた2016年の頃から同社に目を付けていました。初めて買った数銘柄の内のひとつが シグマ光機 でしたし、株価が動く恐怖に耐えられず初めて売った銘柄のひとつも シグマ光機 でした。
当時僕のスクリーニングが、どうやって シグマ光機 と云う企業に辿り着いたのか定かではありません。物理など苦手でチンプンカンプンな癖に、否だからこそ?、僕の中には精密機器に憧れる童心があるみたい。精密機器分野の優良企業を探していて、この企業に辿り着いたように思います。当時竹田和平氏のこともろくに知りませんでしたが、そういう著名人が保有している/していた銘柄と云うことも安心材料となっていたように思います。当時913円の株価で購入したようなので、配当利回りも3.7%と好配当銘柄でもあったはずです。
一度手放したものの惜しくて、その後買い直して今も長期保有のつもりで置いています。
シグマ光機の業績・配当の推移
シグマ光機の売上高の推移です。単位は百万円。2019年5月期までが実績、2020年5月期の赤い棒は予想です。アベノミクス以降順調に売り上げを伸ばしています。
営業利益と売上高営業利益率の推移です。額も率もかなりおおきく変動することが分かりますね。リーマンショックのときの落ち込みが凄まじいです。
配当金と配当性向の推移です。毎年増配と云うわけではないし減配している時期もあります(但し2012年の配当は4円が記念配です)が、おおむね順調に配当が増えています。
配当性向は近年は同社が基準とする30%前後で推移していますが、その推移を見て分かるとおり、苦しいときにも配当性向200%超えとなっても極力配当を維持し株主還元を忘れない企業であります。
同社のキャッシュフローの推移です。2010年5月期までしか遡れませんでした。
研究開発等で投資が欠かせない世界ですから、フリーキャッシュフローは必ずしも安定はしていません。但し自己資本比率は常に80%前後を維持していて、財務環境は鉄壁です。
シグマ光機の株価推移
[7713]シグマ光機の株価の1年間の推移です。チャートは Yahoo!ファイナンスのものを引用しています。
直近では、2020年5月期1Q決算の内容は悪かったものの、直後に急落して以降は戻しの基調にあるようです。
1Q決算の業績は前年同期比で売上高は-3.7%、営業利益-46.4%、経常利益-48.1%、純利益-49.2%と惨憺たる有り様でした。ただ、直前の四半期である2019年5月期の4Q単独の業績と比較すると、売上高はわずかに落ちているものの利益面では改善が見られます。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
---|---|---|---|---|
2019年5月期 4Q単独 | 2,174 | 115(5.2%) | 129(5.9%) | 94(4.3%) |
2020年5月期 1Q単独 | 2,166 | 189(8.7%) | 208(9.6%) | 134(6.1%) |
※金額は百万円、カッコ内の数値は売上高利益率
依然として世界経済の情勢は厳しく不透明感が漂うものの、これらの要素はすでに織り込み済みで、かつ業績面で底打ち感が見られることから投げ売られる事態には至っていないようです。
同じく10年間の株価推移になります。
株価は好業績のさ中、2017年のノーベル物理学賞が「重力波」関連となり注目され、「量子コンピュータ」等の話題もあって仕手化しました。毎年恒例のクリスマス上方修正や自社株買いなども手伝って株価がグングン伸びたのでした。
予想どおりの業績予想の上方修正♪ [7713]シグマ光機からのX’masプレゼント
いまはもとの株価推移の延長線上まで戻ってきましたね。PERもPBRも割安な水準ではありますが、世界経済はまだまだ不透明ですから、いったんその見通しがついたときに購入するのが良いかも知れません。
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