年に1度の確定申告、折角色々なサイトを調べながら申告書を作成したのに、1年も間が空いたら憶えてるわけないよ!と云うみなさんと何よりも僕自身のために備忘録を残しておくこととしました。何よりも僕自身のための備忘録なので、僕自身に関わりのある範囲でのまとめになりますが。(∀`*ゞ)テヘッ
まずは簡単なところから、FXで稼いだ利益の確定申告書の記載方法です。
FXで稼いだ利益の確定申告のポイントは以下4点です。
- 給与所得者は、年間の雑所得の合計が20万円以下の方は確定申告不要。
- 確定申告不要の場合にも、確定申告しなくて良いと云うだけで、確定申告するなら納税義務あり。
- 準備する書類は、年間の損益計算書と、かかった経費の領収書やレシート。
- 取引ごと、通貨ペアごとに記載する必要はない。年間取引をまとめてドン。
FXで得た利益、税金を払う必要は?
FXで得た利益はFXで稼いだ利益は課税所得です。基本的には税金を払う必要があります。株の配当金や特定口座での株の取引きのように源泉徴収はされないので、納税にあたっては確定申告が必要となります。
ただ、少額の稼ぎについてはお目こぼしもあります。給与所得がある方は雑所得が年間20万円以下、給与所得が無い方は同年間38万円以下の稼ぎである場合、確定申告は不要とされています。
確定申告の要不要は、雑所得の合計額で判定する
「給与所得がある方は雑所得が年間20万円以下、給与所得が無い方は同年間38万円以下の稼ぎである場合、確定申告は不要」と書きました。FXでは年間20万円しか利益を得ていないのでギリのラインで確定申告は不要と即座に判断できるわけではありません。例えばほかにブログの広告収入で5千円の所得を得ていたら、雑所得の合計は20万5千円なので、確定申告が必要となります。
ちなみに雑所得には以下のような収入が含まれます。
- 事業に満たない副業や副収入。インターネット・オークションやメルカリ等の販売利益。原稿料、講演料、出演料、印税なども含みます。
- 還付加算金。税金の過納や減免があった場合に還付金がありますが、その還付金に付加された利子。
- 金銭の貸付による所得。個人間での金銭の貸付けなどで得た利子等の収入。
- 年金収入。国民年金、厚生年金、民間の年金等で得た収入。但し優遇措置があります。詳細は国税庁のサイトを見るべし。
なお、FX口座や銀行口座の口座開設キャンペーンで得た収入は、上記の範囲に含まれないので雑所得ではありません。括りとしては「一時所得」となり、50万円以下は確定申告が不要となります。
確定申告しなくても良いが、確定申告するなら課税対象
年間20万円以下/38万円以下の場合には確定申告は不要ですが、ほかの事由で確定申告をする場合には、納税義務が発生するので注意しましょう。
例えば医療費控除やワンストップ特例制度を利用しないふるさと納税の寄附金等による税額の控除のために確定申告をする場合には、たとえ雑所得が20万円以下/38万円以下であっても、確定申告書にはその詳細を記載し、納税の義務を負うことになります。
ここは純粋に損得勘定で確定申告する/しないを決めて良いところです。
年間12万円の医療費を確定申告して減免される税金は1万円にもなりません。これに対しFXで稼いだ12万円には約2万4千円の税金がかかります。医療費控除の権利を享けたいばかりに確定申告したら、FXの税金を払うことになり却って多く税金を取られることになりかねません。
FXで得た利益、確定申告の準備
FXで得た利益の確定申告には、以下の資料の準備が必要です。
- FXの年間の損益計算書
- FXで利益を得るにあたりかかった経費(書籍代等)の領収書
年間の損益計算書の入手
これは利用しているFX業者から入手できるはずです。わたくし千鳥足が利用している「外為どっとコム」では、オンラインでいつでも作成&ダウンロードできるようになっています。
- 外貨NEXT NEO のリッチアプリ版では、メニューから「履歴検索/報告書」⇒「報告書のダウンロード」を選択します。
- 取引報告書の小画面で、確定申告対象の1年間を指定して「損益計算書を表示」をクリックします。
- 年間の損益計算書がPDFで得られます。これをもとに確定申告をします。
上記の手順は「外為どっとコム」の場合ですが、どの業者でも大抵、「(FX業者名)+損益計算書」でググれば、適当な説明に案内されると思います。
FXで利益を得るためにかかった経費(書籍代等)の領収書
FXで利益を得るために払った経費は遠慮なく経費として計上すべきです。学習用の書籍代や僕は参加したことはありませんがセミナー参加費用などが該当します。
毎月の書籍代を経費に計上するために、本屋さんのレシートを束にして保管してあります。為替相場の先行きを分析するために、毎月の雑誌購入が欠かせませんからね…。いやいや初心者だって分析くらいしますよ、ええ。
FXで得た利益、確定申告書への記載方法
それでは実際に確定申告書を作成してみましょう。電子申告するか、書面提出するかは兎も角として、いずれにせよ国税庁の「所得税及び復興特別所得税の確定申告書作成コーナー」を使用しない手はありません。
FXで得た利益は、申告分離課税になるので、確定申告書の下のほう、「分離課税の所得」中の「先物取引に係る雑所得等」を選択します。
するとこんな殺風景な画面が表示されます。国税庁の人って頭ワルいんじゃないかな?ってくらい、何入れて良いか分からない画面ですよね。
年間の取引きを1件にまとめて登録して良い
入力項目の内容を見ると、「これまさか全決済の取引内容を入力する必要があるのか…?!」と絶句しますが、その必要はありません。
年間の取引きの合計金額をまとめて1回登録すればOKです。
「先物取引に係る雑所得等の入力」の各項目の入力内容
以下に各項目の入力内容を示します。
項目 | 入力内容 |
---|---|
1.所得区分 | 「雑所得用」を選択します。 |
2.取引の内訳入力 | 「1件目」の項目に全取引の合計額を記載します。 |
取引の内容「種類」 | 「為替証拠金取引」 |
取引の内容「決済年月日」 | 空欄のまま |
取引の内容「数量」 | 空欄のまま |
取引の内容「決済の方法」 | 「仕切」 |
収入「差金等決済に係る利益又は損失の額」 | 年間の損益計算書の合計損益金額を記入。通貨ペアごとに登録する必要はありません。全体の合計でOKです。 |
収入「譲渡による収入金額」 | 空欄のまま |
収入「その他の収入」 | 空欄のまま |
必要経費等「委託手数料」 | 空欄のまま |
必要経費等「譲渡による収入金額に係る取得費」 | 空欄のまま |
必要経費等の3行目 | 「書籍代」として、取引に書籍代を入力。 |
これだけ。以上です。
100万円の利益を得て、経費として書籍代8,760円がかかった場合、以下のような入力になります。
ここまで入力したら「入力終了(次へ)」ボタンを押せば、確定申告書イメージの最初の画面に戻ります。
所得税額、念のための確認と検算
入力内容が確定申告書にきちんと反映されたことを確認しましょう。
「分離課税の所得」欄の確認
前出の「100万円の利益を得て、経費として書籍代8,760円」を例にすると、「分離課税の所得」の欄は以下のように反映されているはずです。
収入金額はFXの利益そのもの。所得金額はそこから経費を差し引いたもの(100万円-8,760円)となります。
「税金の計算」結果の検算
まだほかの収入・控除の内容を入力していないならば、確定申告書の「税金の計算」には以下のように税額の計算結果が反映されているはずです。
(27)の所得税額
(FXの利益-経費-基礎控除等控除額)(千円未満切り捨て)×15%。
- 1,000,000円 – 8,760円 – 380,000円(基礎控除のみ) = 611,240 ≒ 611,000
- 611,000円×15% = 91,650円
(41)の復興特別所得税額
所得税額×2.1%。
91,650円 × 2.1% =1,924円
あれ?FXにかかる税率は20.315%じゃないの?と思う方がいるかも知れませんが、それは住民税を含む税額ですね。
所得税は 15%×2.1%=15.315% が正しいです。
残り5%は住民税として、確定申告による納税とは別に、翌年6月以降の住民税として支払うことになります。
以上、FXで稼いだ利益の確定申告の仕方でした!
申告書作成コーナーの殺風景な画面とかすでに忘れていたので、ああこんなふうに入力したっけ。そう思い出すだけでも僕自身にとって有益な備忘録となりましたw
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